【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、8月前半は安値修正の動き
連載 2018-08-20

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=170円台前半まで小幅切り返す展開になった。上海ゴム相場が安値修正の動きをみせる中、東京ゴム相場も下げ一服となっている。170円割れ定着を打診する動きが一服し、7月19日以来の高値を更新している。
上海ゴム相場は中心限月が9月限から2019年1月限にシフトしているが、9月限は1トン=1万元、19年1月限は1万2,000元水準にサポートされ、自立反発局面を迎えている。
天然ゴムの需給環境には特段の目立った動きは見当たらなかったが、8月3日に中国人民銀行(中央銀行)が、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備率を引き上げるなど、加速していた人民元安に歯止めを掛ける施策を打ち出していることが、中国マネーの流れを変えている。
6月中旬以降、米中貿易戦争化の動きは人民元相場の急落を促がし、これと連動する形で上海ゴム相場も軟化していた。しかし、ここにきて中国当局が人民元レートの安定化に向けての働き掛けを強化する中、投機筋はドル買い・人民元売りのポジション解消を迫られており、それと連動する形で上海ゴム相場売りの動きにもブレーキが掛かっている。
一方、産地供給環境には特に目立った動きはみられない。モンスーンが適度の降雨をもたらしており、農産物の生産環境は良好である。8月入りしてからタイ北部が若干乾燥傾向を見せているが、トレンドとしては平年を上回る降水量が確保されている。台風などの突発的な天候障害が発生しないのであれば、季節トレンドに沿った形で、安定供給がゴム相場の上値を圧迫し易い状態は維持されている。
タイ中央ゴム市場では、RSSの現物相場が8月9日時点で前週比1.8%高の1キロ=44.62バーツとなっているが、これは専ら上海ゴム相場のリバウンドに連動した動きであり、産地主導で安値是正を進めるような動きは確認できない。
生産国の市況対策を巡る動きも盛り上がりを欠いている。タイ政府は7月に農地面積削減策を検討中であることを公表していたが、その後は主要生産国の間で市況対策を巡る議論は盛り上がりを欠いている。
8月上旬は上海ゴム主導で修正高局面を迎えているが、産地集荷量は安定する一方、米中貿易戦争は激しさを増しており、8月末に向けて先高感を形成するのは難しい。他のコモディティ市況も総じて上値の重い展開が続いており、現状では自立反発局面との評価が基本になる。
相場テーマが乏しい状態が続く中、上海ゴム相場の動向を眺めながらの展開が続くことになる。
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