【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、円高で8ヵ月ぶり安値
連載 2018-02-19

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=180円台前半まで値下がりした。旧正月(春節)の連休入りを前に上海ゴム相場は膠着気味の展開になったが、強力な円高圧力を背景に、円建ての東京ゴム相場は値下がりしている。190円の節目でのサポートに失敗し、昨年6月以来となる約8ヵ月ぶりの安値を更新している。
上海ゴム相場は1トン=1万2,000元台中盤で揉み合う展開で旧正月の連休入りした。世界的に株価急落に歯止めが掛かる中、ロンドン非鉄金属相場はリバウンドしており、その流れの中で中国市場でも鉄鉱石や石炭相場などは底固く推移した。ただ、上海ゴム相場はそうした素材市況全体の流れに乗って安値是正を進めることはできず、昨年6月以来の安値圏で急落こそなかったが上値の重い展開が続いた。
教科書的には、旧正月前は在庫手当の動きが下値を支える一方、旧正月入り後は需要減退で値下がり圧力が強まる展開になる。ただ、昨年の場合は旧正月前後で特に目立った値動きは見られなかった。
最大消費国の中国勢が連休入りするため、東京ゴム市場に関しては不規則な値動きに注意が必要である。市場参加者の減少で流動性が減少すると、突発的な急伸や急落地合に発展する可能性が高まる。実際に昨年も年間高値は旧正月中に形成されている。
一方、産地相場には特に目立った動きは見られない。タイ中央ゴム市場の集荷量はUSS、RSSともに大きな変動は確認できない。東京や上海ゴム相場との比較では現物相場に下げ渋りの兆候も見受けられるが、現段階では産地主導で安値是正を進めるまでの勢いは確認できない。
既にウインタリング(落葉期)が始まっており、乾燥状態がタイ北部から南部にもシフトし始めている。インドネシアやマレーシアでは週に100~200mm程度の降水量が確保できているが、徐々に乾燥傾向は強くなっている。ただ、減産期型の需給引き締め圧力までは確認できず、特に産地主導で安値是正を進めるような値動きには発展していない。現段階では、産地相場が下げ渋りの兆候を見せ始めているとの評価に留めたい。
こうした中、東京ゴム市場では円相場の動向の影響力が増している。ドル/円相場は16年11月以来の円高・ドル安水準に達しており、足元の1ドル=106円台から105円、100円と更に円高圧力が強まると、為替要因で東京ゴム相場は下振れするリスクが高まる。現在の産地オファーでは、1円の円高で、円建てゴム相場は1.7円程度下落する計算であり、ボラティリティを増す為替相場の動向には注意が必要である。
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