リトレッドタイヤの動向
環境・経済面に優れるリトレッドタイヤ
タイヤ 2017-10-11
リトレッドタイヤが岐路にある。2005年から14年まで10年連続で増加してきた出荷本数が、15、16年と2年続けて前年を下回った。
要因は、中国やアセアンなど海外から流入してくる安価な新品タイヤの存在だ。それらタイヤとリトレッドタイヤとの値差が縮まっており、「それならば新品タイヤを」というユーザーが一定数いるようだ。あるリトレッドタイヤメーカーは「安価なタイヤの性能面やサービス等を考えると、大手ユーザーがそちらに流れるとは思わない」と話す一方で、需要の掘り起こしに向けた行動の必要性を説く。リトレッドタイヤの利点である環境面、経済面でのメリットを今一度アピールすることで、需要を掘り起こしていく考えだ。
環境面では、石油資源と二酸化炭素の削減に大きく貢献する。更生タイヤ全国協議会によると、リトレッドタイヤは新品タイヤに比べ、製造時に使用する石油資源が32%で済み、68%もの削減が可能という。また日本ゴム工業会によると、タイヤ製造、廃棄時における二酸化炭素排出量は新品タイヤに比べ、約60%削減できる。
一方の経済面では、新品タイヤを摩耗後にそのまま廃棄することに比べ、リトレッドタイヤとして再利用することで、トータルコスト削減に繋がる。近年は車両や燃料に加え、運転手確保に向けた人件費の高騰が運送会社、バス会社を直撃している。そのため、トータルコストダウンに繋がるリトレッドタイヤのメリットは大きい。
取り巻く環境の変化に、リトレッドタイヤ会社はどう対応していくのか。今後の動向が注目される。
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