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新たな再生資源を初採用

ブリヂストン、「2025 Bridgestone World Solar Challenge」に「ENLITEN」技術搭載タイヤを供給

タイヤ 2025-06-05

 ブリヂストンは、「2025 Bridgestone World Solar Challenge」(BWSC)において、パートナーとの共創により開発した新たな再生資源を初採用し、再生資源・再生可能資源比率を65%以上向上させた「ENLITEN」技術搭載タイヤを、17カ国・33チームに供給する。

2025 BWSC向け「ENLITEN」技術搭載タイヤ


 BWSCは、2年に一度開催される、太陽光による限られた電力でオーストラリア大陸を約3,000キロ縦断する過酷な世界最高峰のソーラーカーレース。同社は、EV・電動車を含む次世代モビリティへのイノベーションと、未来を担うエンジニア育成を目的とする趣旨に共感し、2013年からタイトルスポンサーを務めている。今年のBWSCは、8月24~31日に開催される。

 今回、同社が供給するタイヤは「ENLITEN」技術を搭載し、ソーラーカーに求められる性能を確保しながら、サステナビリティをさらに進化させたもの。同社として初めて、タイヤを原材料に「戻す」リサイクル技術の共創活動を通じて開発・生産された再生資源である再生カーボンブラックおよび再生スチール。さらに、使用タイヤ本数の削減や低炭素な輸送手段の導入など、バリューチェーン全体においても、サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラル化に向けた取り組みを強化している。

 ■ブリヂストンのBWSCにおけるサステナブルな活動
 ①パートナーとの共創による新たな再生資源を採用-再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上
 <ENEOSとの共創:ブリヂストン実証機による使用済タイヤの精密熱分解で得られた新たな再生カーボンブラック>ブリヂストンは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、2022 年から使用済タイヤのケミカルリサイクルの取り組みを進めている。2023年にBridgestone Innovation Park(東京都小平市)に実証機を導入し、ENEOSとの共創を通じて、使用済タイヤの精密熱分解による再生カーボンブラック等を回収する技術開発を進めてきた。今回、実証機で得られた再生カーボンブラックを、BWSC 向けに初採用した。

同社実証機で得られた再生カーボンブラック


 <日本製鉄および山陽特殊製鋼との共創による新たな再生スチール>ブリヂストンは 2022年から日本製鉄および山陽特殊製鋼と3社のビジョンに共通するサーキュラーエコノミーの実現に向けて使用済タイヤのリサイクルについて共創を進めてきた。今回のBWSC用タイヤには、ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪で回収した使用済タイヤから山陽特殊製鋼の電炉を用いて製造した再生スチールを日本製鉄の設備で圧延・熱処理した、タイヤの補強材であるビードワイヤーが初めて採用されている。

日本製鉄および山陽特殊製鋼との共創による再生スチール


 ②新たなプレミアム-商品設計基盤技術「ENLITEN」によるタイヤの進化
 今大会で供給するタイヤは、前回タイヤと同様に「ENLITEN」技術を搭載。環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立。パートナーとの共創を通じ、新たな再生資源に加えて、テイジン・アラミドの新素材であるサーキュラー原料を使用したアラミド「トワロン」なども採用し、サステナビリティに繋がる環境性能を進化。同時に、BWSCの過酷な条件下でソーラーカーに求められる低転がり抵抗、耐摩耗性、軽量化や耐パンク性も確保し、ソーラーカーの性能を最大限に引き出すとともに、約3,000キロの安心・安全な長距離走行に貢献する。

 ③低炭素な輸送の実現
 BWSC用タイヤの輸送に、DHLのGoGreen Plusソリューションを利用。持続可能な船舶燃料の使用により、燃料の製造、輸送、貯蔵、船上使用におけるライフサイクル全体(Well―to―Wake)でのCO2排出量を最大85%削減し、低炭素な輸送を実現する。

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