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氷上性能向上に主眼置き開発

横浜ゴムがSUV用スタッドレスタイヤ「iceGUARD SUV G075」発売

タイヤ 2016-07-25

iceGUARD SUV G075

iceGUARD SUV G075


 横浜ゴムは、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」初のSUV用スタッドレスタイヤ「iceGUARD SUV G075」を9月から順次発売する。

 同商品は、SUVユーザーからのニーズが最も高い氷上性能の向上に主眼を置いて開発。また、他に関心の高い性能である永持ちと省燃費に加え、近年人気の都市型SUVに対応するため、静粛性も追求した。開発には、「iceGUARD」の基本コンセプトである「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」を投入し、「iceGUARD」の最新技術が惜しみなく搭載されている。発売サイズは15-18インチの全24サイズで、価格はオープン価格。
 
 

氷上制動性能は23%の向上

 ①氷に効く
 「iceGUARD」の最新コンパウンド技術「スーパー吸水ゴム」と「iceGUARD」のパターン技術を取り入れた専用の「新設計トレッドパターン」を採用した。氷上制動性能は、従来品の「GEOLANDAR(ジオランダー) I/T-S」に比べ23%向上している。

 スーパー吸水ゴムには、従来の新マイクロ吸水バルーン、ブラックポリマーⅡに加え、従来比で最大30倍の大きさとなるエボ吸水ホワイトゲルを新たに採用。氷上でタイヤの滑る原因となるミクロの水膜を新マイクロ吸水バルーンとエボ吸水ホワイトゲルで吸水、除去するとともに、低温でも柔らかさを保つブラックポリマーⅡとゲル状で柔らかいエボ吸水ホワイトゲルの相乗効果により、氷表面の微細な隙間を埋め、タイヤの氷表面への密着、路面との接地性を向上した。また新マイクロ吸水バルーンの殻が氷を噛むことにより、氷上での発進、停止、旋回に重要な高いエッジ効果を生み出している。

 トレッドパターンには、ジグザグ形状により前後方向のエッジを生む4本ジグザグ状メイングルーブ、幅広のセンターリブで氷路面との接地性を向上する幅広センターリブ、ジグザグ状の溝が前後左右のエッジを強化するジグザグ状サブグルーブ、トレッド全面に配置したスリットが全方向にミクロエッジ効果を発揮する細密マイクログルーブ、複雑な立体形状のサイプが互いに支え合い、ブロックの倒れこみを抑制することで接地性が向上するトリプルピラミッドサイプといった技術を採用。接地性の向上とエッジの増加による氷上での制駆動性、操縦安定性の向上に繋げている。
 
 

4年後も高レベルの氷上グリップ力

 ②永く効く
 スタッドレスタイヤには、低温時でもゴムの柔らかさを持続し、凍結路面の凹凸にタイヤがしっかり密着することが求められ、また永く効くにはその柔らかさが長期間に亘り維持されている必要がある。

 同商品は、スーパー吸水ゴムに採用されているブラックポリマーⅡとエボ吸水ホワイトゲルにより、低温時でもゴムの柔らかさを維持し、さらにスーパー吸水ゴムは経年変化もしにくいため、吸水効果と密着効果が長期間持続。約4年後も高レベルの氷上グリップ力が続く。
 
 

転がり抵抗は5%低減

 ③燃費に効く
 氷上性能を高めながら、同時に省燃費性能にも注力。同社の低燃費タイヤシリーズ「BluEarth(ブルーアース)」の開発で培った省燃費技術を応用した。トレッドゴムを低発熱化することにより、エネルギーロスを低減し、転がり抵抗を低減。転がり抵抗は、従来品に比べ5%低減している。
 
 

騒音エネルギーが28%の低減

 同社シミュレーション技術によって溝配置を適正化し、車内騒音、車外騒音の原因となるパターンノイズの騒音エネルギーを従来品比で28%低減した。静粛性にも配慮したことで、都市型SUVの増加にも対応している。

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