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TOYO TIREが協力

東急バス、バス業界初のPROJECT TREE協賛タイヤを導入

タイヤ 2023-09-20

 東急バスは、伊藤忠商事が先導する、天然ゴムのトレーサビリティ、サステナビリティの実現を目指す取り組み「PROJECT TREE」に、バス業界として世界で初めて参加する。伊藤忠商事は、東急バスへタイヤを供給しているTOYO TIREの協力を得て、同プロジェクトをより一層推進する。



 天然ゴムは、東急バスの車両に装着しているタイヤの主原料。世界の天然ゴム消費量の約70%がタイヤに使用され、生産量の約85%はタイやインドネシアをはじめとする東南アジアなどの小規模農家に依存している。

 世界的にモータリゼーションが進み、今後も天然ゴム需要の拡大が見込まれるなか、天然ゴム生産地域の森林保全や小規模農家の支援といった課題への取組が不可欠となっている。

 こうしたなか、東急バスは事業運営に欠かせないタイヤを使用するうえで天然ゴムの持続可能なサプライチェーンの構築に寄与したいとの考えから、「PROJECT TREE」が目指す天然ゴム業界のトレーサビリティおよび持続可能性向上の取り組みに賛同し、参加を決意した。

 タイヤサプライヤーであるTOYO TIREは、PROJECT TREEによって原産地が証明された天然ゴムを用い、マスバランス方式で割り当てたタイヤ「PROJECT TREE 協賛タイヤ」を生産し、東急バスへ供給する。

 東急バスは、年間に交換する新品タイヤの約6割に「PROJECT TREE 協賛タイヤ」を導入し、自社が運行する車両に対して順次履き替えを進め、天然ゴムの持続可能なサプライチェーンの構築に貢献していく。また、東急バスは、「バスの日」である9 月20日から、3カ月間にわたり東京都渋谷区・世田谷区エリアでラッピングバスを運行する。

 ■PROJECT TREE(Transparent Rubber Ecosystem for Earth)=伊藤忠商事が進めるトレーサビリティおよび持続可能性向上を目指すプロジェクト。伊藤忠商事が開発した原産地追跡システムのスマートフォンアプリによって取引内容・日時・位置情報などがブロックチェーン上に記録され、地図上に表示される。 それらの原料は分離加工され、原産地情報付きの天然ゴムとしてタイヤメーカーへ販売。そこで生産される協賛タイヤの売り上げの一部から原料サプライヤーへ対価を支払う仕組みを実装し、スマートフォンや銀行口座を持たない小規模農家に対しては、農具・肥料や生産性向上のための研修を提供する。加えて、国際NGOのProforest、SNVによるコンサルティング・監査を受けながら、サプライチェーンにおけるリスクアセスメントの結果に基づく改善計画も順次実行する。同プロジェクトは、同業の天然ゴム加工会社や、タイヤ卸・小売・自動車メーカー、消費者など、天然ゴムに関わる全てのステークホルダーに広げていく構想で、協賛するタイヤ製品の世界展開を目指す。また、持続可能な天然ゴムのための新たなグローバルプラットフォーム「Global Platform for Sustainable Natural Rubber(GPSNR)」のポリシーおよび目標達成への貢献も期待されている。

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