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「バイオポリマー合成の研究」と「酵素評価方法の発明」が

住友ゴム工業、「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」の2部門で受賞

タイヤ 2023-03-22

 住友ゴム工業は3月21~23日の期間、ドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2023」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」で、「バイオポリマー合成の研究」が最先端の材料研究に贈られる「Materials Innovation of the Year」を、「酵素評価方法の発明」が研究におけるブレークスルーに贈られる「R&D Breakthrough of the Year」をそれぞれ受賞した。

授賞式の様子(右から2番目が宮城課長、一番右がDr. Löwenhaupt氏


 3月21日に開催された授賞式には、宮城ゆき乃材料開発本部材料企画部課長、Dr. Bernd Löwenhaupt Sumitomo Rubber Europe GmbHマネージングディレクターが出席した。

 「Tire Technology Expo」は、2001年から欧州で開催されているタイヤ製造等に関する技術発表・展示会。タイヤメーカーをはじめ、素材メーカー、公的研究機関などがその研究成果を発表し、12の分野で優秀な技術を表彰するもの。

 なお、住友ゴム工業の「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」での受賞は、2010年の「第4世代ランフラットタイヤ技術」、2017年の「新材料開発技術ADVANCED 4D NANO DESIGN」、2019年の「SENSING CORE」、2022年の「性能持続技術」に続き、今回で通算6回となる。

 ■バイオポリマー合成の概要
 ◇東北大学、金沢大学、埼玉大学、理化学研究所と共同で、天然ゴム合成酵素と類似した構造を持つトマト由来酵素の研究を進め、自然界に存在しない構造のバイオポリマーの合成に成功◇大型放射光施設「Spring-8」を活用して、天然ゴム合成酵素と類似した構造を持つトマト由来の酵素の構造を解明◇天然ゴムの鎖長制御に重要な天然ゴム合成酵素の部位を特定。この重要部位をトマト由来酵素に組み込んだ「改変トマト由来酵素」を触媒として、自然界には存在しない構造のバイオポリマーの合成に成功◇「改変トマト由来酵素」を触媒とすることで、トマト由来酵素が本来用いる先頭モノマー以外のモノマーを使用可能であることを発見。この特性を利用することで、先頭モノマーを選択した全く新しいバイオポリマーの合成に成功

 ■酵素評価方法の概要
 埼玉大学、東北大学、金沢大学との共同研究により、人工膜(ナノディスク)を用いた酵素評価方法を発明。従来は天然由来の膜を使用しており不純物の混入が課題だったが、より精度の高い評価が可能になった。さらに人工膜上での天然ゴム合成酵素の機能発揮にも成功した。

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