北九州工場がグランプリ受賞
ブリヂストン、「第12回ブリヂストン グループ・グローバルTQM大会」を開催
タイヤ 2022-12-22
ブリヂストンは、「第12回ブリヂストン グループ・グローバルTQM(Total Quality Management)大会」を開催した。
同大会は、「最高の品質で社会に貢献」を使命とするブリヂストンにおいて革新的な改善事例をグローバルで共有し、相互研鑽することで、グループ全体の品質意識向上とTQM活動のレベルアップを図り、持続的な社会価値・顧客価値の創出に繋げる活動。
2022年は、世界各地域・事業所から応募された改善事例の内、最終選考として16件が発表され、インドやブラジル、日本などの計9つの事業拠点が表彰された。
そのうちグランプリを受賞した北九州工場(福岡県北九州市)のデジタル技術を活用したスキル向上の改善事例は、次の通り。
『デジタル技術で暗黙知を見える化「見えるか!これが”匠の技”だ」』
過酷な使用環境に対応するため高品質・高性能が求められる超大型の鉱山車両用タイヤの製造には、高い技術力が求められる。特にタイヤの様々な部材を組み立て、タイヤの原型(生タイヤ)を作る成型工程は、技能員の高度な熟練の技に支えられている。こうしたモノづくりにおける「匠の技」は、多くの場合、標準化が難しい暗黙知となっている。
例えば、タイヤの骨格部材であるプライ(内部に金属コードが均一に並んでいるゴムのシート)を専用のナイフでカットする工程では、内部の金属コードのわずかな隙間に「絶妙な角度」でナイフをプライに差し入れ、ブレなく素早くカットする技術が求められる。暗黙知となっているこの「絶妙な角度」を技能員が習得するために要する期間を、いかに短縮できるかが課題となっていた。
この暗黙知を見える化するため、北九州工場では1年以上にわたり、3Dカメラとモーションセンサーを活用したモーションキャプチャーにより、熟練技能員のナイフ角度をデジタル技術を用いて分析し、絶妙なナイフの角度を標準化。この標準に基づいた訓練を実施することで技能員ごとの習熟度のバラつきを抑制するとともに、プライカットを担当する技能員の養成に必要な期間を従来の約半分に短縮することが可能になった。
■その他の主な表彰事例
◇プネ工場(インド)=工場における電力の無駄削減や、使用エネルギーの99%グリーンエネルギー化により、CO2排出量を大幅に削減◇防府工場(山口県防府市)=製造工程で使用するタイヤ外面塗布剤を有機溶剤ゼロの環境に優しいものに変更◇バイーア工場(ブラジル)=タイヤ製造工程におけるサイクルタイムの無駄削減による生産性の向上
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