日本電気と協業、2023年から活用開始
住友ゴム工業、匠のノウハウをAI化
タイヤ 2022-11-17
住友ゴム工業は日本電気と協業で、タイヤ開発における熟練設計者(匠)のノウハウのAI化に成功した。まず2023年から開発するモーターサイクル用タイヤで活用を開始し、その後乗用車用タイヤなど他のカテゴリーにも展開していく。高度なAI技術を有し、その適用分野を模索していた日本電気と熟練設計者のノウハウのAI化を目指していた住友ゴム工業のニーズが合致した。両社は2020年4月からAI化に関しプロジェクトを進めていた。

これまで困難とされていた、熟練の設計者とテストドライバーのコミュニケーションで成り立つ官能評価の解釈を、AIが学習できるデータに体系化。官能評価の解釈、改良案考案のAI化を実現した。これまでOJTによる属人的な伝承が中心だった熟練設計者の思考プロセスを見える化することで、経験が浅い設計者への改良案考案課程やノウハウなどの技能伝承が可能となる。同AIを活用することで、若手設計者をより高度な技術開発に集中させていく考えだ。
実車評価結果をもとに、改善する目標値である目標台上特性値を決定する過程、目標台上特性値を達成するための仕様決定の過程をAI化した。いずれもノウハウの占める割合が多く、従来は長年の経験が必要とされていた。
目標台上特性値AIに関しては、データが文章で官能的な表現が多いことなどが課題として挙がったが、評価文を項目化する、意味の似たデータをくくること等によって克服。一方、最適仕様提示AIに関しては、マテリアルズ・インフォマティクスの考え方を応用。過去の開発記録から「設計仕様」と「台上特性値」の関係をAIに機械学習させ、それで得た式を利用し、目標台上特性値AIが提示した「目標台上特性値」を達成するための設計仕様を逆解析によって求めるようにした。いずれのAIもデータは適宜更新していく。
また、熟練設計者が考える思考プロセスを見える化するグラフAIについても、実証を進めており、今後実装を目指す。
今回のAIは、開発スピードを落とすことなく、失敗を疑似体験することができるため、エンジニア育成のツールとしても活用していく。

グラフAIを活用することで、これまでのAIではブラックボックスだった思考プロセスを見える化。候補となる関係性を点線(?)で示し、最も可能性が高い選択肢を実線(→)で示すことが可能。
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