知識定着する内容で本社研修用にも活用
住友ゴム工業、名古屋工場のリモート工場見学動画が好評
タイヤ 2022-10-11
住友ゴム工業の名古屋工場が製作した同工場の見学動画が好評を得ている。10月4日に同工場で開催されたピンクリボン運動の啓発イベントで報道関係者に披露した。
動画はコロナ禍で工場見学希望者が来場できなくなったことを受けて製作されたもの。総務課の愛知直保子さんと、生産技術課の岩瀬亜巳さんが中心になって企画・製作にあたり、2年ほどの期間を費やし完成させた。
動画はトータル1時間ほどで、タイヤの製造工程を①混合②材料③成形④加硫⑤検査⑥出荷――の6つに分けて紹介している。作業内容のみを紹介するのではなく、工場の門を入り、実際に工場内を歩いているかのようなバーチャル感を演出しているほか、各工程の説明の合間には実際に参加者から寄せられたリアルな質疑応答の動画を流し、理解を促している。
また、部材が多い成形工程の前には、タイヤの内側に使用されるケースやビード、サイドウォールを1st成形に、外側に使うブレーカーやトレッドなどを2nd成形に分けて、それぞれの部材の役割を分かりやすく紹介。各所にクイズコーナも挟むなど、参加型の飽きさせないつくりで、知識の定着を高めるよう工夫されている。
動画は主に社員研修用として本社にも展開されているほか、外部ではダンロップ販売店関係者も利用している。閲覧者の評判は非常に好評だ。「リアルでは入り込めない画角からの動画もあり、リアルで工場見学するよりも分かりやすく、印象に残りやすいとの声が多い」(端山伸介名古屋工場長)という。
企画・製作に当たった愛知さんと岩瀬さんは、「コロナ禍前からリアルの見学会を担当してきたが、見学後のアンケートでは、“良く見えなかった”“良く分からなかった”という回答も頂いた。それを受けて、それがどこなのかを分析・検討した結果を動画に盛り込んでいる。撮影では一眼レフカメラの重さに苦労したが、それぞれの持ち場の職長達の協力もあり、適切な映像を収めることができた。最近では本社での社員研修用としての要望も高まっており非常に嬉しく思っている」と話してくれた。
名古屋工場は1961年6月に操業をスタート。乗用車用、小型トラック用、レース・ラリー用、モーターサイクル用タイヤを生産している。生産能力は新ゴム消費量ベースで月産6,150トンと白河、宮崎工場に次ぐが、唯一のレース用タイヤ製造工場として住友ゴム工業のマザー工場に位置付けられている。敷地面積は19万平米、建屋延面積は10万平米で、1,195人の従業員が働いている。