豊田合成は6月11日、トヨタ自動車が同日発売した新型レクサス「ES」に、新構造の運転席エアバッグや静粛性を高めるガラスラン、環境技術を用いた部品など、複数の内外装向け製品が採用されたと発表した。

 新しい運転席エアバッグは前面衝突時、体格や年齢にかかわらず多様なドライバーをより優しく保護できるように、バッグ形状を従来の球体から円柱形に変更した。これにより奥行を3割拡大、衝突後の早いタイミングでドライバーを受け止められるようにして、衝撃吸収性を高めた。とくに大柄で体重の重い人や、骨折障害を負いやすい高齢者の保護効果が高まったという。世界各国の安全規制強化に合わせて、新構造エアバッグの普及拡大を目指す。

新構造の運転席エアバッグ


 騒音や雨風の侵入を防ぐため窓枠に装着される部品のガラスランには、振動吸収機能を付与した「制振ガラスラン」が採用。走行時の風切り音が、主にサイドドアの窓ガラスを伝わり車室内に侵入することに着目し、ガラス振動の吸収部位を追加して遮音性を高めた。同製品は快適性への寄与が評価され、トヨタの「プロジェクト表彰 技術の部」で賞を獲得している。

 環境技術を用いた外装部品のうち、ロアグリル、前後バンパーのロア(下端のカバー)に、廃車から回収した再生プラスチック材を25%配合し、資源の有効活用につなげた。再生材を混ぜても新材同等の性能を確保しており、技術的には再生材の配合を50%まで高められるという。再生材を用いた部品は、すでに環境規制で先行する欧州向けなどのトヨタ「カムリ」で採用されており、これに続く事例となった。

再生プラスチック使用部品、左からロアグリル、フロントバンパーロア、リアバンパーロア


 リアウインドーの下方に装着される大型外装部品「ラゲージパネル」では、部品成形と塗装を同一行程の金型内で行い、生産時のCO2排出削減と外観意匠の向上を図る「インモールドコート技術」を活用。自社の「大型製品向けの金型技術」と、関西ペイントとの協業で編み出した「塗料の材料設計技術」を複合活用することで、国内の大型外装部品では初めて、インモールドコート技術の量産適用を実現した。

 塗装面の平滑性が高まるため、ガラス面と一体感のあるシームレスな(つなぎ目が目立ちにくい)外観を実現し、新型ESの高級感のある外観デザインに寄与した。

インモールドコート技術で生産されるラゲージパネル