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2025年3月期業績

藤倉コンポジット、産業用資材は自動車関連回復傾向も増収減益

決算 2025-05-12

 藤倉コンポジットの2025年3月期業績は、売上高が413億2,500万円で前期比9.4%増、営業利益が48億700万円で同32.6%増、経常利益が50億5,000万円で同29.6%増、純利益が38億8,800万円で同19.5%増だった。

 セグメント別では、産業用資材は売上高が237億4,000万円で同9.0%増、営業利益が2億1,900万円で同14.9%減。工業用品部門は、自動車関連部品および住宅設備関連部品の受注回復が進み増収も、国内は製造コスト上昇に対し価格転嫁が追いつかなかったこと、米国では急激に受注が落ち込んだことで減益となった。制御機器部門は、主力の半導体市場は流通在庫調整がほぼ収束し、AI半導体の設備投資が牽引したことで国内外ともに堅調。液晶市況は引き続き低調も、海外向けの一部持ち直しにより増収。医療市場での一部新製品の上市遅れおよび中国市場の景気低迷の影響で、全体では増収減益となった。

 引布加工品事業は、売上高が34億2,100万円で同30.9%減、営業損失が1億3,100万円(前期は4,300万円の損失)。引布部門は、電気・電子分野向けの部材や一般ゴム引布の受注が好調に推移したが、製造コスト等の増加により増収減益だった。加工品部門は、防衛関連製品の受注増加で増収も、船舶品関係で救命いかだ不具合事象の対応費用増加により営業損失となった。

 スポーツ用品部門は、売上高が138億1,700万円で同29.0%増、営業利益が54億6,000万円で同36.9%増。ゴルフ用カーボンシャフト部門は、主力モデルが米国および国内のプロゴルファーに使用されたことによる認知度向上に加え、積極的な宣伝広告と営業戦略が奏功し好調。一方、アウトドア用品部門は、市場全体での冬物商材の在庫消化の遅れにより春物商材の投入が進まず減収減益だった。

 その他は、売上高が4億5,300万円で同0.3%増、営業利益が3,600万円で同9.9%減。運送部門は輸送増加も燃料費高騰で増収減益だった。

 2026年3月期業績は、売上高407億円で前期比1.5%減、営業利益50億円で同3.9%増、経常利益52億円で同2.9%増、純利益38億円で同2.3%減を見込んでいる。

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