TOYO TIRE 、売上高、各利益とも過去最高

　TOYO TIREの2023年12月期第3四半期（1～9月）業績は、売上高が4,092億2,100万円で前年同期比16.8％増、営業利益が503億2,400万円で同60.3％増、経常利益が644億8,900万円で同42.4％増、純利益が567億6,800万円で同26.8％増。北米でのタイヤ販売本数の伸長に加え、海上輸送費や為替などの外部環境の追い風により、売上高、各利益ともに過去最高となった。

　営業利益段階の増減要因は、増益要因が海上運賃等高騰影響で169億円、為替で77億円、自動車部品事業で24億円、原材料で6億円の計276億円の増益。減益要因が販管費で34億円、セルビア工場立上コストで24億円、販売要因で21億円、製造コストで7億円の計86億円の減益。差し引き189億円の増益となった。

　事業セグメント別にみると、タイヤ事業は売上高が3,741億6,300万円で同16.9％増、営業利益が502億7,800万円で同49.0％増。北米市場における市販用タイヤは、OPEN COUNTRY A/TⅢ、NITTO RECON GRAPPLER A/T、OPEN COUNTRY R/T TRAILなど同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤ、全天候型タイヤの新商品CELSIUSⅡなどの重点商品を中心に販売したことで、販売量が堅調に推移し前年同期を上回った。また、売上高は値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善もあり、販売量以上に前年度を大きく上回った。

　欧州市場における市販用タイヤは、ロシア・ウクライナ情勢に伴うロシアや周辺地域への販売停止の影響を受けたことで販売量は前年度を下回った。一方、売上高は欧州各国での値上げや商品ミックス改善により前年同期を大きく上回った。

　国内市場の市販用タイヤは、国内需要の減少から販売量は前年度を下回った。一方、今期2度の値上げ効果や、新商品PROXES Sport2、RPROXES Comfort ⅡsやOPEN COUNTRYシリーズなど重点商品の拡販を受けて、売上高は前年度を上回った。

　新車用タイヤは、半導体不足が緩和し、自動車メーカーの生産が回復基調となり、販売量が前年度を大きく上回った。また、売上高も原材料市況高騰の一部を価格に反映できたため、前年度を大きく上回った。

　自動車部品事業は売上高が350億4,500万円で同15.9％増、営業利益が4,600万円（前年同期は23億4,600万円の損失）だった。半導体不足が緩和し、自動車メーカーの生産が回復基調となり、原材料市況高騰の一部を価格に反映できたため増収黒字転換となった。

　所在地セグメントでみると、日本は売上高844億5,500万円で同16.2％増、営業利益438億4,800万円で同200.6％増。北米は売上高2,696億3,800万円で同18.4％増、営業利益148億4,300万円で同13.1％増。その他が売上高551億2,700万円で同10.0％増、営業利益30億700万円で同17.3％減だった。

通期業績予想を上方修正

　同社は2023年12月期通期業績予想を上方修正した。原材料価格の高騰および海上運賃の値上がり等が想定を下回ること、為替相場が想定より円安に推移していることなどを踏まえた。

　■2023年12月期通期業績予想
　◇売上高＝5,600億円（前回予想と変わらず）◇営業利益＝650億円（前回予想600億円、増減率8.3％増）◇経常利益＝700億円（同610億円、同14.8％増）◇純利益＝600億円（同550億円、同9.1％増）

　営業利益段階の増減要因は、増益要因が海上運賃等高騰影響で214億円、為替で84億円、販売要因で19億円、自動車部品事業で16億円の計333億円の増益。減益要因が販管費で90億円、製造コストで13億円、セルビア工場立上コストで12億円、原材料で8億円の計123億円。差し引き210億円の増益を見込んでいる。

　事業セグメント別にみると、タイヤ事業は売上高が5,140億円で同12.8％増、営業利益が660億円で同41，5％増。自動車部品事業は売上高が460億円で同11.3％増、営業損失が10億円（前期は25億9,100万円の損失）を見込む。

　所在地セグメントでみると、日本は売上高1,247億円で同13.5％増、営業利益が565億円で同142,8％増。北米が3,627億円で同13.3％増、営業利益が172億円で同13.0％減、その他が売上高726億円で同8.2％増、営業利益が25億円で同8.4％減を見込んでいる。