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白耳義通信 第74回

「美猫大会と自転車耐久レース」

連載 2022-11-16

 「今度こそは!」と、期待されたナミュール号。出走した、第47回エリザベス女王杯では最後の直線伸びず、昨年優勝馬のアカイイトに鼻差の5着に終わりました。3歳馬に分が悪いこのレース。来年に期待したいものです。

 先月末、わたしの家があるメッヘレンのコンベンション施設ネックルハル Neekerhal で開かれたのが、世界美猫大会 FIFe World Show。ブラジルやアルゼンチンをはじめ、メキシコやマレーシアからも、愛猫家が自慢の猫を見てもらおうと、1500匹の猫が飼い主と共にやって来ました。審査基準は品種、行動に加え、どれだけ世話をされているかが重要とのことで、優勝した猫は、総じて落ち着いた穏やかな猫が選ばれていたように思います。ベルギーでこの大会が開かれたのは初めてで、来年はフランスのストラスブールで開かれる予定です。

 この大会に参加していない猫もそうなのですが、ベルギーの猫は日本の猫に比べて大人しい気がします。わたしは残念ながら猫アレルギーを持っていて飼えないのですが、友人宅にお邪魔すると「ニャ」と小さな声で一鳴きするくらいで、「ニャーニャー」と鳴いてごはんをせがんだりしません。たまたまわたしが見た猫がそうなのかも知れませんが、ベルギーで出会った猫は、このような傾向が強いように思います。飼い主に聞くと「特別なことはしてないよ」との話なので、一体どうしたら大人しい猫に育つのか未だに謎のままです。

 今週の15日から20日にかけてゲント Gent で行われるのが自転車耐久レース Zesdaagse van Vlaanderen-Gent ゲント6日間レースです。ロードレースのシーズンが終了すると、秋には室内自転車競技場で行われるトラックレースの出番となります。公式には1922年に始まったとされているこの大会ですが、実は1915年には3つの自転車競技場に分かれ2日間ずつそれぞれ行われていたという記録も残っているようです。

 さて今年の耐久レースですが、暖房の設定温度を下げると発表がありました。地球温暖化により例年より気温が高いこと、また光熱費の高騰により下げざるを得ないとのことです。ですが耐久レースからの引退を表明しているベルギーの人気ライダー、イリョ・ケイス Iljo Keisse を見たさにチケットも既に完売しているとのことですから、温度が下がっても会場の熱気で満たされることでしょう。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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