【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、上海ゴム主導で330円台
連載 2025-07-28
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=330円台まで値上がりし、4月3日以来の高値を更新した。上海ゴム相場の堅調地合が好感され、押し目買い優勢の展開が維持された。米国と各国との通商環境の改善見通し、中国政府の景気刺激策期待、産地天候不順などを手掛かりに、上値追いの展開が続いた。為替市場で円安が一服したことはネガティブだが、ゴム相場に対する影響は限定的だった。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万5,000元台まで値上がりし、5月14日以来の高値を更新した。中国コモディティ市場では鉄鉱石や石炭、銅相場なども上昇しており、中国の資源需要環境について楽観的な見方が浮上していることが窺える。
中国政府が景気対策を打ち出すとの観測が強い。中国の李強首相は、チベット高原東端で世界最大規模の水力発電ダムの建設を開始したと発表した。これは電力確保と同時に、景気刺激策の一環と評価されている。建設関連需要の押上期待が、ゴム相場も支援した。
また、米国と各国との通商協議について楽観的な見方が強くなっていることもポジティブ。7月24日時点では、英国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、日本が交渉期限とされる8月1日を前に合意に至っており、欧州連合(EU)についても合意に近づいているとの見通しが強まった。また、7月27~30日にスイスで米中ハイレベルの通商協議の予定が伝わったこともポジティブ。世界の株価が上昇し、ゴム相場も強含みな環境になった。
ただし、上海ゴム相場は1万5,000元の節目到達後は上げ一服となり、OSEゴム相場も330円水準で上げ一服となっている。上海ゴム相場が1万5,000元を完全に上抜くのか、同水準で抵抗を受けるのかが注目される。
産地天候不順の影響も指摘されている。東南アジアではモンスーンが活発化しており、各地で豪雨や洪水被害が報告されている。深刻な供給障害が報告されている訳ではないが、供給不安もゴム相場の値上がり要因とみる向きがある。ただし、OSEゴム相場では期近限月に対してプレミアムを加算していくような動きはみられず、産地主導でゴム相場を大きく押し上げていくような動きは限定されている。期近から期中限月のサヤは概ねフラット状態にあり、現時点では産地天候不順は心理的な支援材料に留まっていることが窺える。
日米通商協議では、相互関税15%などで決着した。自動車分野も15%とされており、日本自動車産業が関税によって壊滅的な被害を受けるシナリオは回避された。自動車関連株の急伸は、タイヤ原料のゴム相場にもポジティブ。
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