【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、自動車関税警戒も安値修正
連載 2025-03-31
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=350円台中盤まで値上がりする展開になった。トランプ米政権の通商政策に対する警戒感から3月11日には325.30円まで値下がりしていたが、安値修正の動きが優勢だった。短期的な下げ過ぎ感に加えて、リスク投資の地合改善、産地が減産期のピークを迎えていること、為替が円安気味に推移したことなどが、ゴム相場の安値修正を促している。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万7,000元を挟んで売買が交錯した。押し目買いで1万7,000元台前半まで切り返す場面もみられたが、戻りを売り込む動きも強く、週を通じて1万7,000元の節目水準で明確な方向性を打ち出せなかった。
トランプ米政権は4月2日に相互関税を発動する方針を再確認している。ただし、適用除外などの「柔軟性」が示唆されたことを受けて、マーケットの地合は全体的に改善した。通商リスクの織り込みが一服し、市場センチメントの改善がゴム相場にも安値修正を促した。
一方、3月26日には米国に輸入されるすべての自動車に対して25%の関税を課す方針も示された。4月2日の発効が予定されている。これによって、メキシコ、カナダ、日本、韓国、ドイツなどの主要自動車生産国から米国に自動車を輸出する際には、25%の関税が新たなコストとして上乗せされることになる。
自動車市場に大きな混乱が生じれば、必然的にタイヤ用ゴム需要環境にも混乱が生じる可能性がある。トランプ大統領は自動車の国内生産を強く志向しているとはいえ、現実問題として米国内で米市場の新車需要の全てを満たすことはできないためだ。ただし、あくまでも「禁輸」ではなく「関税賦課」の動きに留まるため、生産・流通部門のコスト削減努力によって、自動車関税の影響は限定されるとの楽観的な見方もある。このため、自動車関税発動の影響については不透明感が強く、ゴム相場は上値を抑えられながらも大きく値を崩すような動きは見送られている。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は、3月27日時点で前週比1.3%高の1キロ=74.12バーツ。減産期で供給量が引き締まっていることはポジティブだが、産地需給に対する関心は低い。もっぱら消費地相場の値動きを後追いする展開になっている。実際にJPXゴム先物相場では、引き続き期近限月にプレミアムを加算するような動きは確認できず、期近から期中にかけては緩やかな順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。
JPXゴム先物3月限が受渡価格は353.90円となった。2月限の380.00円を26.10円下回り、2024年7月限以来の安値になった。
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