【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、3週連続の急伸地合に
連載 2023-09-11
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=230円台中盤まで大幅続伸した。前週に続いて急ピッチな安値修正の動きが続いており、2022年10月11日以来の高値を更新している。

8月16日の194.00円をボトムに9月4日高値は239.00円に達し、最大で45.00円(23.2%)の急伸地合が形成されている。原油高、円安、中国政府の景気対策期待などの影響も指摘されているが、短期投機筋主導の極めて不安定な相場環境になっている。出来高は引き続き高水準を保つ一方、取組高の減少傾向が強くなっており、弱気筋がポジション整理を迫られる「踏み上げ相場」が続いていることが窺える。
上海ゴム先物相場は1トン=1万4,000元台前半まで値上がりする展開。8月中旬は1万2,000元台後半で揉み合う展開になっていたが、1万3,000元に続いて1万4,000元も上抜き、9月4日高値は1万4,735元に達している。
連日のように大きな値幅が形成される展開だが、基本的にはゴム需給とは関係の乏しい投機色の強い値動きとみられる。相場が底入れした後の急伸局面で、ファンドが短期的な値幅取りを狙って買いポジションを構築し、それが需給の弱さを背景に売り込んでいた向きに対してショートカバー(買い戻し)を迫っていることが、急伸地合を促している可能性が高い。
JPXゴム先物相場の取組高は、9月1日時点の1万5,229枚から6日時点では9,725枚まで急減しているため、持高調整はすでに十分に進んだとの見方もあるが、まだ明確にピークアウトの兆候を確認することができていない。しばらくは上下双方にブレ幅の大きい地合が続きやすい環境になっている。
他の産業用素材市況と比較すると、ゴム相場の割高感や過熱感は際立っている。鉄鉱石や非鉄金属相場などはボックス相場が続いており、ゴム相場の値位置は他コモディティ相場と整合性が取れない状況だが、投機筋主導の上昇相場が3週間にわたって続いている。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ)の現物相場は、9月7日時点でUSSが前週比3.0%高の1キロ=48.50バーツ、RSSが同2.8%高の50.65バーツ。産地相場も堅調だが、もっぱら消費地相場主導の値上がりになっている。生産地の一部では豪雨や洪水被害も報告されたが、供給リスクのプレミアム加算を進めていくような動きはみられなかった。消費地相場の値上がりももっぱら期先限月主導であり、こうした点から短期投機筋主導の値動きであることが確認できる。
為替市場では円安圧力が続いている。こうした動きも、円建てゴム相場の押し上げ要因になった。
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