【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、中国の経済不安も横ばい
連載 2022-11-21
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=210円台をコアに揉み合う展開になった。上海ゴム相場の値動きが鈍く、JPXゴム相場も動意を欠いた。為替も急激な円高は一服したが、ボックス気味の展開に留まっている。11月16日高値は221.80円と10月26日以来の高水準になっているが、週を通じて薄商いの持高調整に終始した。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万2,000元台中盤から後半でやや底固く推移した。中国では新型コロナウイルスの感染被害が拡大しているが、中国市場の資産価格は全般的に横ばいから安値修正の動きが優勢になった。
中国の新型コロナ対策は「ゼロコロナ政策」が基本であり、検査と隔離によって感染被害の収束を目指すものになっている。中国政府は11月11日、入国制限の緩和などゼロコロナ政策の規則を緩めているが、感染被害が広がり続けていることで、経済への影響は避けられないとの慎重な見方が強くなっている。
また、中国の10月鉱工業生産は前年同月比5.0%増(前月は6.3%増)、鉱工業生産は0.5%減(同2.5%増)となっており、経済指標でも景気減速圧力の強さが確認されている。実際に、原油相場は中国の需要不安に上値を抑えられているが、上海ゴム相場は底固く推移した。
何か明確な買い材料が浮上している訳ではないが、米国の利上げペース鈍化の思惑から投資家のリスク選好性が高まり、世界的な株高傾向が強くなっていることなどが、上海ゴム相場の下値もサポートした模様だ。このまま月末に向けてさらに安値修正を進めるのか、再び中国経済リスクの織り込みを開始するのかが目先の焦点になる。
産地相場の値動きは鈍い。タイ中央ゴム市場の現物相場は、11月17日時点でUSSが前週比0.4%安の1キロ=45.21バーツ、RSSが同0.1%高の47.05バーツ。東南アジアの一部で嵐の発生も報告されているが、天候不順による集荷リスクを織り込むような動きは見られなかった。産地相場は大きく上昇することも下落することもなく、週を通じてほぼ横ばいで推移した。USSの集荷量がやや低調だったが、RSSの集荷量は安定している。
JPXゴム先物相場は明確な順サヤ(期近安・期先高)を形成しており、当限は年初来安値圏での取引が続いている。安値修正の動きはもっぱら期先限月に留まっている。
為替は1ドル=145~149円水準から11月15日の137.67円まで急落した後、140円を挟んだ値位置で落ち着き始めている。円安による円建てゴム相場の上昇には一服感が強くなっている。
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