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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、コロナ深刻化も底固い

連載 2021-04-26

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=230円台をコアに揉み合う展開になった。上海ゴム相場主導の展開が続いているが、その上海ゴム相場が総じて底固く推移したことが下値を支えた。4月14日の222.50円で当面のボトムを確認した格好になっている。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万3,000元台中盤から後半での不安定な値動きを経て、一時1万4,000元を回復するなど、やや底固く推移している。約2週間ぶりの高値を更新している。

 世界的に新型コロナウイルスのパンデミックが再び深刻化している。特にインドでは1日当たりの新規感染者数、死者数が過去最高を記録しており、都市封鎖(ロックダウン)などの対策強化が講じられている。新車販売環境にも間違いなく影響が生じることになり、今後の展開には注意が必要な状況になっている。コモディティ市場でも、特に原油相場が需要悪化リスクを織り込む形で上値を圧迫されており、さらに原油安が進行するとゴム相場に対しても影響が生じる可能性がある。

 一方、株価や非鉄金属相場などには目立った影響が生じておらず、現段階ではマーケットの評価も割れている。これまで感染被害が深刻だった欧州やブラジルでは、新規感染者数がピークアウトする兆候も見られる。日本でも緊急事態宣言が発令される見通しになっているため、株価や円相場の動向に注意が求められるが、現時点ではゴム相場に対する目立った影響は確認できていない。短期需要不安と、中長期需要回復期待が交錯する不安定な地合になっている。

 JPXゴム相場、上海ゴム相場ともに短期底入れ感を強め始めているが、自立反発的な動きが中心になっている。

 産地では減産期のピークを迎えているが、マーケットの反応は鈍い。タイ中央ゴム市場ではUSS、RSSともに集荷量が極めて少なくなっている。今季は例年と比べて特別な天候不順が報告されている訳ではないが、季節トレンドに沿う形で乾季が続く中、供給量は落ち込んでいる。ただ、4月22日時点の現物相場は、USSが前週比2.2%安の1キロ=59.15バーツ、RSSが同2.0%高の62.06バーツと強弱まちまちの状況にある。RSSに短期底入れ感も見られるが、低集荷環境を手掛かりに地合を引き締めているというよりも、上海ゴム相場の下げ一服感と連動した動きだろう。

 JPXゴム市場では、当先で10円超の順サヤ(期近安・期先高)傾向が維持されている。期先限月と比較して当限の戻りの鈍さはネガティブ。減産期のピークだが、当限は年初来安値圏に留まり続けている。

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