【特集】農業に貢献するゴム企業
富士ゴム産業、水耕栽培分野でのさらなるシェア拡大と地位の確立目指す
会員限定 ラバーインダストリー 2025-05-26
近年,農業において異常気象や自然災害などにより農作物の生育,収穫が安定しない状況が課題となっている。その解決策の1つとして,屋内で農作物を育てる“植物工場”などが注目を集めている。植物工場で用いられる水耕栽培は,土を使わないことから害虫や病気のリスクが低いこと,天候に左右されず栽培管理がしやすいことがメリット。こうした水耕栽培に貢献するのが,富士ゴム産業(静岡県静岡市)の取り扱う水耕栽培用スポンジや水耕栽培用パネル。今回は,これらの製品について話を聞いた。
ウレタンフォームの加工技術を水耕栽培用スポンジに
富士ゴム産業はウレタンフォームやゴムスポンジといった発泡材の加工および販売を行う。その用途は,ベッドやソファーのクッション材からインドアゴルフ用跳ね返り防止材など多岐にわたる。そんな同社が水耕栽培用スポンジを開発したのは,20年以上も前になる。自然災害による農作物の不作を受け,当時,全国的に植物工場が増加したという。それに伴い,ウレタンフォームは“野菜を育てる培地”としてのニーズが高まった。これを受け,同社は