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11社23人が参加し最新事情を肌で感じる

ゴム報知新聞、中国・深圳視察ツアーを実施

その他 2019-06-25

深圳の街中では、EVを表すグリーンのナンバープレートが多く見られた。特にバスやタクシーなどの公共交通機関は約9割がEV化されている


 ポスティコーポレーション(ゴム報知新聞)は6月12-15日の4日間、「中国深圳最新事情視察ツアー」を実施した。同視察は「“人類史上最速で急成長した超スマートシティ深セン”に行き、見て、体験し、これからの事業経営、仕事の糧にしてもらう」ことを目的としたもので、ゴム関連企業11社23人と当社3人、添乗員1人の合計27人が参加した(鈴木希実記者)。

 深圳は、1979年に鄧小平氏が「改革開放」の拠点とすべく建設した都市。総面積は1,953平方キロメートルで東京都と同じくらいだ。1979年当時の人口は3万人ほどだったが、40年ほどで1,500万人に迫るほど急増。平均年齢も約34歳と若く、65歳以上は全体の2%ほどしかいないという。

 1980年には経済特区に指定された。現在は、起業家に仕事場を提供する支援施設が400カ所超あるとされ、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれている。しかし約9割は事業に失敗し、支援施設は頻繁に人が入れ替わる、非常に競争の激しい場でもある。

街中の様子


 同市が急成長を遂げ続ける大きな要因のひとつとして、“モノづくりの基盤”が備わっていることが挙げられる。香港に近く、人材が豊富で、東莞、広州という生産地を背後に持ち、サプライチェーンの川上から川下までの企業が揃っているため、短期間で電子製品をデザインし完成させることが可能となっている。これは米・シリコンバレーにはない強みと言える。

 代表的な企業としては、WeChatを運営するテンセント、ドローンの世界シェア7割を担うDJI、電池及び自動車メーカーのBYD、大手通信機器メーカーのファーウェイ(華為技術)などが挙げられる。

 時代に合わせて変化し続ける深センで今何が起こっているのか。今回の視察でその様子の一部を垣間見ることができた。

モノレールが走るBYD工場内


 ツアー1日目はまず中国最大の電池・自動車メーカーBYDを訪問。同社の展示室や工場を見学した。さらに同社工場内を走るモノレールの乗車体験なども行われた。

 その後はCEEC(電子消費情報センター)を訪問。同施設では様々な企業の展示ブースを一堂に見学することができる場となっており、スマートフォンメーカーやDJIのドローンなどが展示されていた。そのほか、顔認証システムを導入したコンビニエンスストアやアリババが運営するスマートスーパーも視察した。

CEEC(電子消費情報センター)で展示ブースを回る参加者たち


入口に顔認証システムが導入されたコンビニ


 2日目はスタートアップ企業(ベンチャー企業)を支援する企業、MarsSummitを訪問し、深センや同社の取り組みについてプレゼンテーションを受けた。深センで、第一線で活躍するスタッフの話に参加者は熱心に耳を傾けていた。

 その後、スタートアップ企業が多く集まる深セン湾創業広場に足を運び、同広場の持つ役割を学ぶとともに、サービス業等で活躍するスタートアップ企業の様子を視察した。他にも、無人ロボットコンビニが働いている「未来商店」、デザイン性に富んだスマートフォンや家電製品など様々な小米(シャオミ)社の製品を販売する小米旗艦店も見学した。

 目まぐるしいスピードで変化し続ける深圳を肌で感じる内容であり、参加者は熱心にメモをとったりスマートフォンで撮影するなどしていた。

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