【特集】ゴム用機械・試験検査機
鈴鹿エンヂニヤリング、統合システムで貢献
その他 2016-11-10
鈴鹿エンヂニヤリング(三重県四日市市)は、ポリマーやカーボンフィラーなどの配合・計量から、混練周辺機器、バッチアウト周辺機器、圧延冷却機器、環境・安全機器といったゴム精練の「計量・混練・圧延冷却」の全工程にわたる統合システムをワンストップで構築可能な、卓越したエンジニアリング力でゴム業界に貢献している。
これらゴム精練設備は全て自社で設計・製作し、据付から試運転まで一貫体制で施工しており、性能面はもとより信頼性やアフター面においても顧客から高い評価を得ている。
同社の多岐にわたる製品の中で、ゴム練りミキサーの「Mr.Mix(ミスターミックス)」は、「分散性」、「冷却性能」、「操作性」、「清掃性」、「クリーン性」、「省エネルギー性」などにスポットを当て開発された、加圧ニーダーの進化型とも言える機器で、98年の1号機の納入以来、数多くの実績を有している。
「ミスターミックス」の基本構成は、①混練槽②投入部③加圧機構④駆動機構⑤排出機構―となっている。いずれも初号機開発以降、顧客の要求に的確に対応した改良を重ねており、改良点などは全て実用新案や特許を出願・取得している。
まず同機の混練性能を左右するローターは、ブレード先端のランド幅を変更している。混練槽のサイドブレードに接するブレードはエッジ形状とし、サイドブレードとローターのクリアランスも変更している。これにより残存ゴムを無くすとともに、簡単確実なクリーニングと目視確認を容易にしている。さらに形状を変更し、ゴムの左右流動をスピーディにしている。
混練槽はジャケットの通水路を狭くすることで、冷却水の流速を上げ冷却効果を向上させている。この混練槽の材質もSC13(SUS304同等)の鋳物構造採用に加え形状も変更しており、抜群の省エネ効果を発揮している。サイドブレードも3ミリRの切削加工とし、直角接合部へのゴム付着を抑止している。
ダストシールパッキンは、繊維含浸フェノール樹脂で、無給油タイプを採用している。これによりパッキンは長寿命を維持し、ゴムや粉の漏れが無い。
加圧機構に関しても加圧蓋の接材面をウイング形状とし、加圧エアーシリンダーの直径を太くし練り効果の向上を図っている。また投入口の形状も変更し、粉溜りを無くしてエアーブロー機構とともに清掃を容易にしている。
この投入口も開口部を拡張して、作業性を向上している。これによりゴムの投入コンベヤや、投入バケットの設置を容易にしており大量粉末材料の投入作業が簡便に行える。
駆動機構にはインバータモーターを装備し、ローターの可変速制御を可能としている。さらに伝動ベルトは強力マルチタイプを装備し、高機能減速機との連携で高品質のゴム練りを実現している。
なお「ミスターミックス」の制御システムとして、同社ではPC制御のミキシングコントローラーシステムをオプションで数多く揃えている。同システムは、「練りの品質保証」と「トレーサビリティ充実」を主体に開発されており、1バッチの全記録をA4サイズでプリント可能で、現場のペーパーレス化を実現する。さらに作業者への作業指令、設定条件に追随した練り制御、大画面のフルカラーモニターなどにより、作業性が大幅に向上している。