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加硫工程においてゴムコンパウンドを効果的に保護

ランクセス、新たなゴム添加剤がコンチネンタル社に採用

原材料 2025-10-23

 独・ランクセスのゴム添加剤新製品「ブルカノックスHS スコープブルー」が、タイヤメーカーのコンチネンタル社に世界で初めて採用された。

 同製品は、すでに多数の実績を有するゴム添加剤「ブルカノックスHS(TMQ)」がISCC PLUS認証を取得した、より持続可能な製品ラインアップ。加硫工程において、酸素や熱などの劣化からゴムコンパウンドを確実に保護する。

 ブルカノックスHS スコープブルーは、生産工程において持続可能なバイオ循環型アセトンと再生可能エネルギーを使用することで、添加剤の全体的な化学構造の変更なしに、従来の製品と比較して、CO2フットプリントを30%以上削減することを実現。これにより、タイヤメーカーは生産プロセスをそのまま活用することができる。

 同社は、より持続可能で環境に優しい素材への需要の高まりに応えるため、「ブルカノックスHS スコープブルー」を開発。同添加剤はスコープブルーラベルを取得しており、「スコープブルー」ラベルはランクセスの製品群の中で、特にカーボンフットプリントが低減された、または循環型原材料の割合が高い製品に付与される。

 同製品はドイツのマスバランス方式に基づくISCC PLUS認証を取得した施設で生産されている。ランクセスはカーボンフットプリントの算出に「ゆりかごからゲート(Cradle-to-gate)」アプローチを採用しており、スコープ1(直接排出)、スコープ2(エネルギー由来の間接排出)、スコープ3(その他の間接排出)を含む。

 製品に最高性能と耐久性を求めるタイヤメーカーにとって、高性能添加剤の使用は不可欠。ブルカノックスHS スコープブルーは、加硫工程においてゴムコンパウンドを酸素や熱などによる劣化から効果的に保護する。これにより、加工初期段階におけるコンパウンドの熱安定性が高められ、タイヤの長期性能が確保される。さらに、揮発性が低く、移行傾向も少ないという特徴も有している。

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