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諏訪圏工業メッセに出品、問い合わせも増加

922研究所と宮坂ゴムが共同開発、機能性ゴム材料「e-NBR」が展示会で注目集める

原材料 2023-10-31

 922研究所(茨城県古河市、宝福裕司代表)と宮坂ゴム(長野県茅野市、宮坂孝雄社長)が共同で開発を進めている「e-NBR」(商標登録済)に注目が集まっている。

 e-NBRは、宝福氏が開発を手掛けてきた機能性ゴム材料。水素化ニトリルゴム(H-NBR)相当の引張強度20.0MPaを有し、価格もH-NBRより安価を実現している。また、100年相当の耐オゾン性を持ち、可塑剤、充填剤、老化防止剤を必要としない。Oリング、パッキン、ガスケットなどを主なターゲットとしている。現在、この物性に注目した宮坂ゴムと共同で開発を進めている(現在、共同で特許出願準備中)。

 10月19~21日の3日間、長野県岡谷市で開催された「諏訪圏工業メッセ」に出展した宮坂ゴムは、自動車関連部品(ドアロック・ラッチ部品、レゾルバ部品、パッキン・シール、各種コネクター等)や各種ゴム成形品、加飾アルマイト加工などの自社製品と共に、e-NBRを展示・紹介した。

賑わう「諏訪圏工業メッセ」の会場


 ブースでは、「e-NBR」(ノーマルタイプ:ゴム硬度70~90度/黒色)、「e-NBR X」(硫黄系架橋タイプ:成形性重視/ゴム硬度70~90度/黒色)、「e-NBR Y」(食品衛生取得[厚生省告示370号]/ゴム硬度60~90度/半透明[色物配合])、「e-NBR Z」(e-NBRとe-NBR Yの混合タイプ/ゴム硬度60~90度/黒色)の4タイプを展示した。

宮坂ゴムのブース


「e-NBR」を展示・PR


 「今回の展示会がe-NBRにとってのスタートになり、これから本格展開を開始する予定だ。すでにゴム関連企業からの問い合わせも多く、実際に本社に現物を見にきてもらっているケースもあり、注目度も高い。期待できる材料だと考えている。現状、当社は売上高の6割を自動車向けが占めており、大きな柱となっているが、将来的にはe-NBRのような新規材料開発にも注力し、次世代の柱として育成していきたい。e-NBRはその代表的な例になるだろう」(宮坂ゴム)

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