日本ゼオン、マイクロ流路チップなど試作受託サービス事業を開始

　日本ゼオンは3月27日、熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー「ZEONEX」、「ZEONOR」を用いたマイクロ流路チップ製品を中心とした試作受託サービス事業を開始したと発表した。

　マイクロ流路チップ製品が使用される創薬および検査・診断分野は、先進国の高齢化や予防医療の観点から市場拡大が進んでおり、現在は高速・高感度で目的物を検出することができるデバイスに対する要求が高まっている。

　同社は、こうした要求に応えるため、さまざまな優れた特性を持つ「ZEONEX」、「ZEONOR」を使用した樹脂製マイクロ流路チップなどの試作品の成形加工受託を開始 する。基板の成形から流路切削加工、接合までワンストップで受託することで、低コスト・短納期・小ロットでのサンプル製作を実現する。また、用途に応じた最適グレードの紹介や推奨デザインの提案など、樹脂メーカーならではの視点で材料物性を活かした製品作りをサポートする。

　LCD 用光学フィルムである 「ZeonorFilm」や各種レンズなどの光学用途および医薬品包装用途において需要が拡大している「ZEONEX」、「ZEONOR」は高い透明性を示し、自家蛍光が非常に少ないといった光学特性に優れており、低不純物、化学的安定性、 高い防湿性、低吸着特性、低環境負荷等の特長を有することから、DNA・RNA 解析、検査・診断デバイスにも好適な材料。また転写性にも優れ、精密成形の実現が可能となっている。

　同社では従来から「ZEONEX」、「ZEONOR」の成形加工製品を提供しているが、今回のマイクロ流路チップ製品の試作受託事業の強化は、多様化する医療・バイオテクノロジーの分野での高品質かつ手軽な分析・検査診断用チップのニーズに応えるもの。同社では今後も市場のニーズに対応した新製品・新サービスの提案を、スピードを持って積極的に行っていく方針。

　詳しくは下記WEBサイト「http://www.zeon.co.jp/business/enterprise/speplast/oss.html」まで。