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アセチレンブラックの製造販売を強化

デンカ、タイ・SCG Chemicals 社と合弁会社設立へ

原材料 2022-10-20

 デンカは10月18日、SCG Chemicals(SCGC:本社タイ・バンコク)とアセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社設立に向けた契約を締結し、同日、調印式を実施した。出資比率はデンカ60%、SCGC40%。合弁会社設立後に両者共同で立ち上げる製造設備は年間約1万1,000トンの生産能力を予定しており、2025 年初の生産開始を見込んでいる。

 デンカのアセチレンブラックは、導電材料であるカーボンブラックの一種で、アセチレンガスの熱分解によって製造される。独自の熱分解合成技術により、金属、硫黄などの不純物が極めて少なく、超高純度かつ高い導電性を実現しており、xEVのリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブル用途で使用され、近年需要が急拡大している。

 同社は現在、国内外合わせて3拠点でアセチレンブラックの製造を行っており、急増する需要への対応策として新たな製造拠点の設立を計画していた。

 契約締結先のSCGCは、アジア有数のコングロマリット企業「Siam Cement」を母体に持ち、アセアン地域を代表する総合化学企業。SCGCの豊富で安定したアセチレンガス原料の供給能力と、デンカの高純度なアセチレンブラック製造技術および販売ネットワークを組み合わせた合弁会社の設立により、アセチレンブラックの生産・販売体制を強化する。

 ■SCGCの概要(2021年12月時点)
 ◇会社名=SCG Chemicals◇本社所在地=1Siam Cement Road,Bangsue,Bangkok,10800 Thailand◇代表者= Tanawong Areeratchakul氏◇設立年月=1983年11月1日◇資本金=1,144億5,300万バーツ◇従業員数(連結)=8,325人◇事業内容=①タイ国内での上流下流を含むオレフィンチェーン事業②塩ビ樹脂、塩ビコンパウンド、塩ビ最終製品などのビニルチェーン事業③その他(海外オレフィンチェーン事業、リサイクル事業、サービス・ソリューション事業)

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