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「ハイトレル」、練りこみや後加工不要

東レ・デュポン、新型コロナの不活化確認

原材料 2022-08-25

 東レ・デュポンは、広島大学坂口剛正教授との共同研究で、ポリエステルエラストマー「ハイトレル」の特殊グレードの新型コロナウイルスに対する不活化効果を確認した。新型コロナウイルスに対し、6時間で99.9%以上を不活性化した。練り込みや後加工を施すことなく、エラストマー成形品で不活化が確認されたのは初めてという。

 構造や配合のバランスを最適化することで、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性を発現させた。抗ウイルスのメカニズムは現在、検証の最終段階にあるが、抗ウイルス剤の練り込みやコーティングではなく、エラストマーそのものが抗ウイルス性を有するため、持続性に関しては「理論上は永久にある」(東レ・デュポン)という。また、ゴム弾性を持ちつつ、高機能性、良成形加工性も備えるというハイトレルが本来有する特性を損なうこともない。コーティング等が不要のため、加工費用を含めたトータルコストでのコストダウンにも繋がるという。

 同社では、カーシェアリングを想定した自動車内装、公共設備のドアノブ、手すり、電機・電子機器の操作パネルなど不特定多数の人が触れる部位での採用を期待している。現在、一部でサンプルワークを進めており、「要望があればすぐにサンプルを提供できる」(同)。市場からの反応をみて量産、販売に繋げていきたい考えで、売上高として「まずは10億円」(同)を目標に掲げる。

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