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日本のETICが技術供与

ニジネカムスクネフテヒム社、ロシアのSSBR新プラントを稼働

原材料 2021-06-01

 世界第2位の合成ゴムメーカーであるニジネカムスクネフテヒム社(ロシア・タタールスタン共和国)は5月26日、日本のETIC(日比谷陽一良代表)がプラントの基礎設計含め技術供与した溶液重合スチレンブタジエンゴム(SSBR)プラントのオープニングセレモニーを開催した。セレモニーには、タタールスタンの大統領も出席した。ニジネカムスクネフテヒム社にとって、SSBRの生産は初めてとなる。

セレモニーに出席したタタールスタンの大統領一行



 新プラントの生産能力は年6万トンで、アスファルト改質剤などで使用される熱可塑性エラストマー(SBS)との併産プラント。末端変性グレードなど3グレードを生産する。グレードには、ETICの支援による最先端の第5世代の変性グレードも含まれている。

 グローバルのタイヤメーカーで、すでに品質承認プロセスに入っている。生産するSBSの中には自家消費分も含まれるため、プラントは稼働開始直後から高い稼働率が見込まれている。

 SSBRは、省燃費タイヤ用途として世界的に需要が拡大。中でも末端変性SSBRはこれまで、省燃費に関心の高い欧州など先進国を中心に発展してきた。ただ、脱炭素の動きが世界的になってきたことで中国、ロシア政府も電動自動車(EV)を含む省エネ車に注力。省エネ車に適したタイヤの原材料となる高性能な末端変性SSBRの需要は中国、ロシアでも急増すると見込まれている。

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