シクロオレフィンポリマー
日本ゼオン、医薬用COPにおける低吸着性について学会発表
原材料 2019-10-25
日本ゼオンは10月22-23日の2日間、スウェーデン・イェーテボリで開催されたプレフィルドシリンジに関する学術大会 (2019 The Universe of Pre-filled Syringes and Injection Devices/Parenteral Drug Association)で、バイオ医薬品におけるプレフィルドシリンジ製剤の安定性について発表したと発表した。
同社のシクロオレフィンポリマー(COP=製品名:ZEONEX、ZEONOR)製シリンジを用いることで、バイオ医薬品製剤の吸着・凝集が抑制されるという結果が得られており、その研究成果について発表した。
近年、抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品は医薬品市場で急速に成長いる。ガラス製シリンジを用いたバイオ医薬品の保管においては、その主成分であるタンパク質に影響を及ぼし凝集体の発生が懸念されている。一方、COPはガラスに比べ、タンパクの吸着・凝集が抑制することが知られており、プレフィルドシリンジ(あらかじめ薬剤が充填された注射器)をはじめとする、バイオ医薬品に適用する材料として期待されている。日本ゼオンはユーメディコおよび大阪大学内山進教授との共同研究のもと、COPをプレフィルドシリンジに用いた場合のタンパク製剤の吸着および凝集体の発生について研究を進めており、これまでに、タンパク製剤であるAdalimumab(Humira)、Etanercept(Enbrel)、Infliximab(Remicade)を用いて、既存材質製およびCOP製のプレフィルドシリンジ中のシリンジバレル表面への吸着性・凝集性を比較し、COPが低吸着性・低凝集性であることを報告している(論文への詳細リンク DOI:https://doi.org/10.1016/j.xphs.2018.01.021)。
さらに今回、同様にタンパク製剤であるAbatacept(Orencia)のシリンジバレル表面への吸着量と凝集体の発生状況を比較したところ、COP製のプレフィルドシリンジにオレンシアを充填した場合、吸着量および凝集体発生量が既存材質製に比べて、抑制されるという結果が得られた。同発表では凝集体の発生状況についても報告した。
なお、同研究に関連しては今年5月、FDAの下部組織であるバイオテクノロジー製品部(Office of Biotechnology Products、略称:OBP)でもプレゼンテーションを実施している(http://www.zeon.co.jp/press/190712.html)。
-
シナジー効果でリチウムイオン...
日本ゼオン、米国スタートアップのCoreshell社に投資
原材料 2024-03-27
-
世界的アーティストのロメロ・...
日本ゼオン、独自新素材が美術作品に採用
原材料 2024-03-22
-
光学フィルム事業の用途開発か...
日本ゼオン、革新的な視覚効果を持つ新素材を開発
原材料 2024-03-14
-
6年連続
日本ゼオン、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に
原材料 2024-03-12
-
生産能力は年産6,000トン
日本ゼオン、シクロオレフィンポリマーのリサイクルプラントが竣
原材料 2024-03-05
-
【人事】
日本ゼオン(2月7日)
人事 2024-02-29
-
光を用いて化学反応を促進させ...
日本ゼオン、米国スタートアップ「Syzygy社」に投資
原材料 2024-02-21
-
人事制度を中計の戦略に連動し...
【インタビュー】日本ゼオン人事統括部門長 深潟智博氏、人事部
インタビュー 2024-02-20
-
リチウムイオン電池用バインダ...
日本ゼオン、深圳好電科技等への訴訟を提起
原材料 2024-02-19