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従来素材と同等レベルの物性を実現

イノアックコーポレーション、ウレタンフォームのケミカルリサイクル一貫体制を確立

工業用品 2026-02-12

 イノアックコーポレーションは、製造工程で発生したウレタンフォームの端材を再生原料化し、再生ウレタンフォームとして発泡するまでの一連の工程を開発した。このケミカルリサイクルは、独自開発した実証機を用いることで再原料化から製品化に至るまで、全工程を自社内で完結させることが可能になる。なお、再生されたウレタンフォームは、同社従来素材と同等レベルの物性であることが検証されている。

 同社では、再生原料を用いたウレタンフォームに、ウレタンフォームを象徴する「PUR」と、再生を意味する「re」を合わせ、「rePURous」(リピュラス)と命名。現在は、社内で発生した端材を対象に量産体制の確立を進めているが、将来的には市場で役目を終えた使用済みウレタンフォームもリサイクルできるよう、ならなる開発に取り組んでいく方針。

 ウレタンフォームは、再原料化が難しい熱硬化性樹脂であることに加え、原料メーカーと発泡メーカーの事業領域が明確に分かれており、日本における包括的なケミカルリサイクルを構築するうえで課題となっていた。

 今回、同社が開発したケミカルリサイクルは、独自の実証機を導入し、自社の製造工程で発生した端材を化学的に分解・再生することで、従来の課題を克服。原料化から発泡に至る一連の工程を自社内だけで完結させる循環モデルの構築にめどを立てた。

 同社ではこれまで、製造工程で発生する端材を粉砕し、成形したマテリアルリサイクル製品「ミクセル」の製造に取り組んできたが、端材の中には素材の特性上、マテリアルリサイクルに適さないものがあり、一部を破棄せざるを得ない状況となっていた。こうした状況を背景に、同社はケミカルリサイクルの研究を進め、自社製品を対象とした独自の原料配合や設備の検討を重ねた結果、実証実験において再原料化に成功した。

 また、ウレタンフォームは、化石燃料から製造される素材のため、再生原料を活用することで化石燃料の使用量削減や温室効果ガス(GHG)排出量低下に繋がる。今後も、自治体や他のウレタンフォームメーカーとも連携し、回収から再資源化までを見据えた循環モデルの構築を通じて、グリーントランスフォーメーションの実現に注力していく。

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