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【特集】ロール・ブランケット

水内ゴム、工業用ゴムロールの展開に注力

工業用品 2017-07-05

 水内ゴムでは主力のもみすりゴムロール(売り上げ構成比50%)をはじめ、工業用ゴムロール(同30%)、金型成形品(同20%)の3事業を展開している。もみすりゴムロールは長期的な安定が見込め、市場シェア50%ほどを占める同社の柱となっているが、同社ではここ数年は工業用ゴムロールの展開に特に注力。表面の均一な発泡状態を実現した「スポンジロール」や高品質・短納期・低コストが特長の「シリコーンロール」の2製品を中心に建材関連分野で拡販しており、もみすりゴムロールに次ぐ柱としての確立を目指している。

スポンジロール


 同社の16年度(1月期)の業績は前年度並みとなり、もみすりゴムロール、工業用ゴムロール、金型成形品の全事業が横ばいだった。ただ、工業用ロールは注力製品の「スポンジロール」と「シリコーンロール」がともにマイナスに転じるなど厳しい状況に。「本格営業を開始した15年度は堅調だったが、16年度は需要先業界の低迷もあり、一転して販売は落ち込んだ。これら2製品の営業活動により既存のゴムロールは伸長し、全体では横ばいとなったが、当初の計画からすると課題の残る結果となった」(同社)としている。

 足元も工業用ロールの厳しい状況は続くが、今期も新規開拓など営業活動を積極的に継続する方針。年初から自動車部品検査機向け金型成形品の販売は大幅に伸長していることもあり、今年度は5%増収を目指している。

 営業面では10月に名古屋で開催される「日本木工機械展」や同社の地元・岡山で来年1月に開催される「おかやまテクノロジー展」に出展を予定しており、ツールとして展示会を積極的に活用していく。

 また製品面では、もみすりロールの新製品の開発を開始したほか、岡山大学(医学部・工学部)と共同で医療関連機器のゴム部分の開発を進めている。共同開発については「利益ではなく、主に社会貢献が目的。開発陣にとっても良い目標となっている」(同)と意欲的に取り組んでいる。

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