営業・技術・製造の連携を強化
国内ロールメーカー、高付加価値品に活路
工業用品 2017-06-26
国内ロールメーカーが高付加価値品の開発、展開を進めている。足元の生産量は減少、需要業界の状況も厳しさを増す中、高付加価値製品に活路を見出していく考えだ。
足元のロール生産量は停滞している。日本ゴム工業会まとめによる2017年第1Q(1-3月)のロール生産量は996トンで前年同期比3.1%減となり、3Q連続で前年実績を下回った。15年の第2Qからは5Q連続で前年同期を上回るなど堅調が続いていたが、16年第3Qにマイナスに転じて以降、回復には至っていない。17年第1Qの用途別生産量をみると、製鉄用は283トンで同5.1%減、製紙用は142トンで同6.6%減、印刷用は332トンで同3.0%増、その他は239トンで同6.3%減と印刷用を除く全用途でマイナスとなった。
需要業界の環境は厳しい。印刷や製紙業界は出版不況による書籍・新聞等の休刊や部数減少、電子版の普及などに伴うペーパーレス化で市場は縮小傾向だ。また鉄鋼業界も企業再編・統合が進み、それに伴う設備集約などで需要先となる製鉄ライン自体が減少している。
一方こうした環境の中でも、高付加価値品の需要は堅調だ。印刷業界では、速乾性による短納期化を実現するUV印刷への油性印刷からの切り替えが着実に進んでおり、関連製品は安定的な需要が見込まれている。鉄鋼や製紙業界でも、コスト意識の高まりから交換期間の延長に繋がる高耐久性の製品需要が旺盛だ。
特に鉄鋼業界では統合した高効率ラインの稼働時間を増やし、スピードを上げることでさらに生産性を高める傾向がある。そのため、長寿命化を実現する耐摩耗性に優れた製品へのニーズはますます高まっているという。
加えて、用途別ではその他の一部に含まれるフィルム用でもシワを伸ばしたり、平滑性や導電性を付与した高機能ロールの需要は安定しており、国内のロールメーカー各社では、これらユーザーニーズを満たす独自の高付加価値品の開発・展開に注力、拡販に繋げていきたい考えだ。
高付加価値品の開発・展開では、ユーザーニーズの正確な汲み取りと、それを反映させた製品の開発・生産スピードが重要になる。それには営業・技術・製造の連携強化が必須となることから、メーカー各社でもここ数年、これに対応した動きを見せている。

14年に実施した尾髙ゴム工業の貴志川工場(和歌山県紀の川市)への本社・工場の統合や、宮川ローラーの東京営業所(東京都足立区)への仙台本社からの開発機能の一部移管はこの動きの一環だ。営業と技術が同じ場所で勤務することでコミュニケーションが活発・緊密化し、営業対応や開発スピードも上昇、相乗効果が得られているという。
加貫ローラ製作所では15年からグループ会社の吸収合併を進め、加貫ローラ製作所本体の工場、営業所として本社営業本部が統括することで、同様の効果を狙っている。今年の9月1日付で東大阪営業所の大阪・本社工場(大阪市生野区)への統合も予定しており、さらなる合理化を進めている。
また明和ゴム工業も本社・東京工場(東京都大田区)の隣に新たに「東京生産技術センター」を設立(今年6月から稼働)。最先端の高付加価値製品専用の開発・生産拠点として、営業・技術・製造が一体となり活用していく方針だ。
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