気象用小型ゴム気球を利用
明星電気、「超小型成層圏観測プラットフォーム」を開発
工業用品 2024-08-19
明星電気は、気象用小型ゴム気球を利用することで、低コストで長時間成層圏に滞空することが可能な「超小型成層圏観測プラットフォーム」を開発し、実証試験に成功した。
同プラットフォームで使用するゴム気球は、サイズ・重量から航空規則上「軽気球」に分類される。機動的な運用が可能な軽気球の特性を生かし、即時性が求められる災害監視など、ニーズが高まるタイミングで同プラットフォームを運用することができる。また、同プラットフォームには飛行高度維持制御装置が搭載されており、様々なミッション機器を搭載して数日間の成層圏滞空が可能となっている。これにより、気象観測や通信などの用途で活躍が期待される。
ゴム気球を使用することの優位性について同社は、「成層圏に到達する気球にはゴム気球とプラスチックフィルム気球の2種類があり、当社は主成分が天然ゴムのゴム気球を使用している。上空では内部のガスが膨張するため、気球がプラスチックフィルム製の場合は地上で飛ばす時から巨大なサイズにしなければならない。一方ゴム製の場合、地上では気球のサイズが小さく済むため、取り扱いに優れる」(明星電気)としている。
一方、「飛翔に使うヘリウムガスは分子が小さく、ゴム気球の表面を透過して徐々に抜けてしまう」(同)ことが課題として挙がっている。
今回、同プラットフォームの開発と実証実験に成功したが、今後は同プラットフォームを利用したサービスの試験的な提供を開始する予定だ。