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医療用はコロナ前の実需へ復調の兆し

2023年の手袋国内販売数量/家庭用、作業用は前年比減少―極薄は伸長、手術用は横ばい

工業用品 2024-04-09

 日本グローブ工業会がまとめた2023年の手袋国内販売数量統計によると、家庭用手袋は、7,629万5,000双で前年比8%減とダウン。ニトリル手袋のみ同2%増と伸長したものの、いずれもコロナ禍以前の2019年比では85%の水準。2020年は、コロナ禍により家庭内での炊事・料理の時間増加および衛生意識の高まりが影響し伸長したが、そこをピークに使いきり手袋へのシフトの影響や、物価の高騰による買い控え傾向もあり、停滞した。

 極薄手袋(医療用を除く)は、50億9,795万枚で同4%増と2年連続で伸長したものの、2019年水準までの回復には至らず。ユーザーの衛生面の意識向上を含め、飲食・清掃・介護など幅広いシーンで手袋の装着が必須となったことで、裾野は拡大している。反動はあるものの、食品・飲食・小売り・一部医療など幅広い業界・用途での使用が拡大し、今後も相応の需要が見込まれる。

 作業用手袋は1億878万8,000双で同11%減となり、5年連続でマイナス。コロナ禍による特需はなく、マイナス影響や景気変動を受けた業種・業界の動向により用途別に品種別実績はまだら模様が続いた。自動車生産が回復基調にあることや、耐切創・化学防護、アウトドアなどの分野において伸長の兆しがある。

 医療用手袋は、手術用は6,517万9,000双で同横ばい。検査・検診用手袋は、5億6,091万枚で同25%増と伸長し、2019年比でも98%と復調。2020年の厚生労働省の緊急買い付け・無償提供による市場在庫積み増しの影響は残るものの、徐々にコロナ禍以前の実需に戻りつつある。

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