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国際的なデザイン賞

ブリヂストン、ソフトロボットハンドが「iFデザインアワード2023」最高賞

工業用品 2023-05-30

 ブリヂストンの社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズが開発したソフトロボットハンドのコンセプトモデル「Dialogue」が、国際的に権威あるデザイン賞「iFデザインアワード2023」の最高賞「iFゴールドアワード」を受賞した。同社としては初めての受賞となる。

コンセプトモデル「Dialogue」


 「iFデザインアワード」は、ドイツ・ハノーファーを拠点とするデザイン振興のための国際的な組織「iF International Forum Design GmbH」が主催しているデザイン賞。毎年全世界の工業製品を対象に優れたデザインを選出している。今年は世界56の国と地域から約1万1,000件の応募があり、その中からわずか75件が最高賞である「iFゴールドアワード」に選出された。

授賞式の様子


 ブリヂストンは、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したゴム人工筋肉(ラバーアクチュエーター)を用いて、ゴムの力を活かしヒトと協働することができる柔らかいロボットで「安心・安全なヒト・モノの移動と動き」、さらに人々の生活を支えるソフトロボティクス事業に挑戦している。

 このゴム人工筋肉の柔軟性、耐衝撃性、軽量・高出力といった特徴を活かし、ソフトロボットハンドのコンセプトモデル「Dialogue」を開発した。同モデルは、たなごころ(掌)をイメージし、ロボットハンドが環境や状況と「対話」し、モノを「いい感じ」につかむという機能的価値を体現している。今回、デザインの革新性とデザインが表現する想いが評価され、「プロフェッショナルコンセプト」カテゴリで最高賞を受賞した。

ソフトロボットハンドのコンセプトモデル「Dialogue」

 同社のソフトロボティクスの世界観「ヒトとロボットが共存・協働する未来」の実現に向けた、「ヒトや環境との対話」というコンセプトを体現したソフトロボットハンド。前後両方向に曲がる双曲型ゴム人工筋肉をハンドの指にあたる部分に、また湾曲型ゴム人工筋肉を「たなごころ」にあたる部分に採用することで、同社従来のソフトロボットハンドよりもさらに柔軟で多様な動きを実現している。これにより、ヒトと隔離された環境で速く正確に定型の動作を行う一般的なロボットとは異なり、さまざまな状況に対して臨機応変に動くことができるため、まるで状況と対話しているかのように振る舞うことが可能。さらに伸縮性のある無縫製ニットでハンド全体を包み込み、湾曲時にニットが伸びた部分はより色付き、縮んだ部分はより白く見えるようにすることで、状況に応じたハンドの「表情」が相手に伝わるようなデザインを目指した。

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