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事業拡大の歩み、海外展開のエピソード語る

【インタビュー】イノアックコーポレーション・井上聰一CEO

工業用品 2017-03-01


 わが国を代表するゴム・樹脂関連のグローバル企業、イノアックコーポレーション(本社・名古屋市中村区、井上聰一代表取締役 CEO)。現在、主な海外現地法人だけでも13カ国・約80拠点と、世界市場で事業を拡大している。「以前に比べ海外出張は減ったが、それでも2、3年前まで一年のうち3分の1は海外を飛び回っていた」と話す井上CEO(87)。本紙のインタビューに応えて、同社の現況や今後の事業計画、これまでの海外事業のエピソードなどを次のように語ってくれた。

 ■イノアックグループの歴史と事業内容
 イノアックグループは、1926年に井上護謨製造所として設立され、自転車タイヤの生産を始めました。1940年代に入ると工業用ゴム製品の開発および生産を始め、第二次世界大戦後は自転車、オートバイ等の二輪タイヤの生産拡大と海外への輸出を進めてきました。

 1954年には、当時の西独バイエル社が開発に成功したポリウレタンフォームの技術ライセンスを日本で初めて取得し、生産を始めました。その用途としては、マットレス等の生活関連製品および断熱材、吸音材として鉄道車両などの産業機器に使用されました。

 1960年代になると、アメリカで石油化学をベースとしたポリウレタン原料が開発され、その原料をもとに自動車用シートクッション材、天井材ほか内装部品、バンパーなどの外装部品の開発・生産を始めて自動車の安全対策に貢献しました。

 1970年代以降はマイクロセルウレタンを開発し、それが自動車のエンジン部品に使用されました。一方、断熱材としての特長を活用して、ウレタンフォーム材料の建築材としての供給を始めました。現在はこれらの仕事は最終製品の製造販売だけでなく、中間原料(システム原料)製造販売として各産業分野に供給しています。

 ■井上護謨工業の現況
 イノアックの親会社である井上護謨工業は現在、オートバイタイヤと自転車タイヤを中心に生産・販売しています。特に自転車タイヤは、国内では高級自転車向けに供給しており、軽くて摩耗性が良いという評価をいただいています。

 ■海外事業展開の現況
 海外での事業活動は1965年からイラン、トルコ等においてゴム事業を中心とした現地生産を開始し、1970年代よりは東南アジアのその他の国(タイ、インドネシア、スリランカ)においても現地生産を始めました。

 北米市場へは1960年代後半より自転車タイヤの輸出等を始めましたが、1986年には北米ケンタッキー州でウレタンフォーム、化成品を材料とした自動車部品の現地生産を開始し、1990年代後半にはメキシコに現地工場を開設しました。

 昨今、日本国内は産業全体の伸び悩みに直面していますが、新製品の開発に注力して東南アジア、中国および北米地区での現地事業の展開を進めています。当社の海外事業は現地マネージャー、現地経営チームによる各地の市場ニーズに応じた経営展開を基本としており、最近はその成果により海外事業の拡大が行われています。

 ■現地スタッフの育成
 イノアックグループの国内外合わせた従業員は2万5,000人で、そのうち国内は正社員のみで4,000人弱です。海外事業拠点の拡大によって圧倒的に海外従業員が多くなっています。

 日本の工場はマザー工場という位置づけで、日本の技術を水平展開させるために、海外生産拠点のメンバーを常時30人ほど日本に呼び、実習を行っています。

 また年に一回、海外のマネージャーおよびそれに準ずる者の研修も行っています。

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