樹脂着色用途を中心に拡販を図る
シンロイヒ、環境配慮型の蛍光顔料を本格投入
工業用品 2021-03-23
蛍光色材の総合メーカーであるシンロイヒ(神奈川県鎌倉市)は従来品よりも耐熱性を大幅に改良し、人・環境に配慮したアクリル樹脂系蛍光顔料「SX-200シリーズ」を4月から本格投入する。
従来の蛍光顔料は耐熱性の面で一部の樹脂に対し、蛍光色本来の鮮やかな色彩が表現できないため、使用可能な樹脂に制限があった。また、鮮やかな色彩で着色できても樹脂からのマイグレーション(色移行)や一部用途によっては法規制に準拠できず適用範囲に課題もあった。
SX-200シリーズは、同社が長年培ったアクリル樹脂に色素を染付ける技術で、耐熱温度を280度まで向上し、マイグレーションが発生しにくくREACH高懸念化学物質やRoHS指令該当物質を含まないため、従来品に比べて多くの材料や用途に展開が可能な全く新しい蛍光顔料となる。また、平均粒子径が4.0~6.0マイクロメートルと微粒子で、水系や弱溶剤の塗料・インキなど広い用途に適用する。
SX-200シリーズは、2020年からの試験的な市場投入で高い評価を得られたことから、量産に備えた設備投資を整備し、4月から本格的な市場投入を決定した。
また、同社では6月にSX-200シリーズと同様、マイグレーション性が良好で繊維や溶剤型塗料、インキ用途に特化した新たな蛍光顔料を発売する予定。
同社では今後も、人や環境に配慮した製品の市場投入を計画しており、サステナブルな社会づくりに貢献できる製品で需要開拓を目指す。