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【工場探訪】

弘進ゴム北陸工場、稼働の最大化めざす

工業用品 2017-01-17

自動車用、建機用の曲管製造ライン


 弘進ゴムは、国内工場の稼働の最大化を掲げ、日本製品で利益を確保することで収益の安定化を図っている。同社は国内に亘理工場(宮城県亘理郡)と北陸工場(トヤマ弘進、富山県小矢部市)の2工場を持つが、本紙はそのうちの北陸工場を訪問し、国産品で稼働率を上げている現場を取材してきた。

 北陸工場のこれまでの足取りをみると、1953(昭和28)年5月に操業を開始。60年にゴム履物および手貼りゴム引布製品JIS表示許可、61年にゴムホースJIS表示許可、80年にガス用ゴム管JIS表示許可の工場となった。86年には、曲管成形の合理化設備および製品洗浄の自動化装置、チューブ押出連続加硫装置の一貫システムが完成。

 87年6月、弘進ゴムから北陸工場を分離、「株式会社トヤマ弘進」(弘進ゴム100%出資)としてスタートした。その後も、90年にUHF連続加硫設備導入、96年にゴムホーススパイラルマシン導入と、積極的に設備投資を行ってきた。

 2004年には、ISO9001の認証登録(工業用ゴムホース、自動車用・建設機械用成型ホース)を果たした。

 現在の主要生産品目は、布靴ではINJ(PU底)製の厨房用靴、クリーンルーム用静電気帯電防止靴が中心。

 工業用品では、ゴムホース(エアー・ウォーター・サンソ・アセチレン・耐油・その他特殊ホース、各種ゴム管)、曲管ホース(PSホース、冷却水ホース、作動油ホース、燃料ホース、吸気ホース、その他特殊ホース)、工業用ゴム製品(プレスモールド加工品、シリコーンゴム製品一般)と、ホース類を中心に多岐にわたる。従業員はSW品15人、工業用品145人の計160人。うち女性が約40%占める。

 16年12月時点での工業用品を中心とする生産現場の状況は、「部門によっては変則2直のラインもあるが、年間を通してほぼ1直体制が続いている。ホース関係では自動車用、建機用、農機用の曲管ホースの現場が忙しい」(工藤淳一トヤマ弘進生産部部長)としている。

 弘進ゴムの西井英正社長は「16年5月期は、自動車用ホースで新規の受注が入ったことや、建機用ホースも中小型建機向けに需要が戻り、その結果、北陸工場の生産高は前期比11.8%増となった。今期(17年5月期)も、自動車用ホースの新規受注が続くので、稼働率はさらに上がるのではないか」と話す。

 このように国内工場の稼働の最大化を目指す弘進ゴムの計画は順調に進んでいる。今後も「亘理工場を含めて徹底したコストダウンを図り、安定的な利益を確保するとともに、国産品の良さをアピールしていく」(西井社長)としている。

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