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【企業探訪】

日本ケミカル機器、トップクラスの加工技術と品質

工業用品 2017-01-17

5軸制御CNCルーターで特殊加工を施した製品サンプル


 日本ケミカル機器(本社・岡山県倉敷市)は、5軸制御ウォーターカッターと5軸制御CNCルーターを駆使した特殊加工で定評のある、工業用ゴム・ウレタン加工の中堅企業。鉄道車両や電力、合成ゴムメーカーなどに、パッキンやガスケットフィルターといった各種ゴム部品を供給している。

 同社は1975年に北九州で創業、1980年倉敷市福田町に本社を移転し、2005年に現在の倉敷市南畝に本社工場を構えた。同社の井上幸治社長は、父親で前社長の井上数馬会長から2013年に社長職を引き継いだ。

井上幸治社長


 井上社長によると、同社がゴム特殊加工に力を入れ始めたのは1993年にウォータージェットを導入してからだ。その後、99年にウォーターカッターを、2003年には業界初の5軸制御ウォーターカッターを、06年には4軸制御CNCルーターを導入している。そして16年3月には5軸制御CNCルーターを業界で初めて導入した。「当社はゴム加工メーカーとしては、それほど大きくはないが、加工機械や加工技術、製品品質では日本トップクラスにあると自負している」(井上社長)

 同社の16年9月期売上高は前期比2%増の約11億円で過去最高となった。ゴム加工部門はほぼ前期並みだったが、売上高の半分を占める卸部門が、スポット案件の受注により増加した。

 今期は前期比3%増収を計画している。「今期の立ち上がりはやや厳しかったが、新規導入した5軸制御CNCルーターを活用することで、需要の掘り起こしをはかりたい」と考えている。同社は立地上、岡山を中心とした西日本地域での販売が主になるが、今後は東日本地域でも営業を強化し、販売拡大をはかっていきたいという。

 井上社長が就任以来、特に力を入れているのが、将来の成長に向けた設備投資と人材育成。設備投資に関しては15年に実施した本社工場の増築と5軸制御CNCルーターの導入。また16年12月には本社の外装工事も行った。

 人材育成は、技術の伝承とレベル向上に加え、外部の技術セミナーや自己啓発セミナーなどを積極的に受講させている。

 また平均年齢31、32歳という若い従業員が働き易く、やり甲斐を感じることができる職場づくりにも取り組んでいる。「当社では、中小製造業ではまだ珍しい完全週休二日制を導入している。また休日出勤は基本的になく、残業も月間10時間以内としている」

 井上社長は「人材を育成し、設備・技術・品質に磨きをかけ、従業員が誇りと希望を持てる会社にしたい」と意欲的だ。

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