金属検知機やX線で検知可能に
丸一ゴム製作所、異物対策用ゴム製品を製造
工業用品 2020-03-12
食品製造工程において異物混入のリスクを抑えるため、金属検知機やX線異物検知機、磁力選別機で検知できるゴム製品が食品の安全・安心に貢献している。
食品製造工程や製造システム向けに金属検知機やX線異物検知機、磁力選別機で検知できるゴム製のヘラ、スクレイパー、ハケ、Oリング、パッキンなどを製造しているのが丸一ゴム製作所(本社・埼玉県吉川市、杉本賢次社長)だ。
原料ゴムとなるシリコーンゴムをはじめ、フッ素ゴムやEPDM、NBRなどに金属製のパウダーを混ぜ込むことで、金属検知機やX線異物検知機、磁力選別機での検知を可能にした。従来のゴムやプラスチック製品の場合、食品製造工程の中で破損して異物混入しても検出は難しく、異物が混入した状態で出荷された場合は回収が必要となり、そのコストは膨大なものになる。
金属検知機やX線異物検知機、磁力選別機で検知できるゴム製品を使用すると、異物混入した状態での出荷が回避できる。安心・安全の実現と回収や廃棄コストの削減に繋がるため、その需要は高まっている。
丸一ゴム製作所の杉本社長は、「14年ほど前から同製品の製造に着手し、製品の企画・販売はアラムのMPフーズシリーズとして展開している。食品分野は安定した需要があり、当社の柱のひとつとして展開し、成長してきている」という。
丸一ゴム製作所はオイルシールメーカーに端を発するが、創業からおよそ55年の間に、天然ゴムから機能性の高い特殊合成ゴムに至るまで、幅広い配合ノウハウを有している。「比重の異なる金属粉をゴムに均一に練り込む混練技術、多彩な色のラインアップ、多様な硬度を持たせる少量多品種生産の対応力が役立っている」(杉本社長)とし、今後の需要拡大に期待している。