【特集】ゴム・樹脂ホース
クラレプラスチックス、下期は住宅空調と土木・建築に注力
工業用品 2019-09-26
クラレプラスチックスの19年度ホース事業業績は増収増益の計画。上期(1-6月)の状況は、住宅空調用換気ダクトホースが好調に推移していることに加え、土木・建築用ホースの販売も堅調だった。一方、産業用ホースは、造船業界の不振により市場シェアの高い造船向けサンドブラスト用ホースの販売が低調。半導体・液晶向けクリーナーホースの販売も急減している。また一般汎用品については、年々漸減傾向にあるという。

住宅空調用として実績の高い「クラファインダクト」
下期については「7、8月はまあまあだったが、9月以降は不透明で先行きを懸念している」(クラレプラスチックス)。
こうした中で引き続き、住宅空調と土木・建築に注力していく。
特に住宅空調用換気ダクトホースは2020年の住宅から実施される省エネ基準の義務化に伴い長期的な需要が見込まれている。伊吹工場の生産ラインはフル稼働状態が続いており、現在1ラインを増設中だ。来年5月までには稼働を開始する予定で、高まる需要に対応していく。
住宅空調分野に関しては、「住宅機材メーカーと以前から強い協力関係にあるため、堅固な販売基盤を持っている。また当社は試験設備が充実しているのも強みで、住宅メーカー担当者が当社の研究所に来て性能評価を行うなど、ユーザーからの信頼も厚い」(同)という。
利益に関しては、物流費の上昇が大きな足枷になっている。6月には物流費、原材料価格、人件費の上昇を理由に製品全般の値上げを実施した。下期はこれに加え、さらなる生産の効率化をはかることで増益を目指す。
現在、新製品を3点開発中で、来期に上市する計画だ。新製品は土木用途での展開を想定した脱塩ビ耐圧ホースと、特殊素材を使用した耐圧・耐油などオールマイティーなクリーナーホース。また高機能不燃ダクト「ファイアーブレイク」の汎用タイプを上市する。来期はこれらの新製品で、新規需要開拓を進めていく。
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