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【特集】ゴム・樹脂ホース

十川ゴム、ガスホースや列車用エアーホースが大幅増

工業用品 2019-09-26

 十川ゴムの19年3月期ホース事業売上高は、建設機械や工作機械向けは好調だったが、自動車向けが不振で減収となった。

ディーゼル燃料専用ホースの「BFホース」


 今期の第1四半期の状況を見ると前年同期比横ばい。ゴムホースに関しては、自動車メーカーの減産傾向が継続している影響で自動車向けが減少したが、ガスホースや鉄道車両の列車用エアーホースが大幅に増加、また建築向けも増加したことで全体としては微増となった。前期好調だった建機向けは需要が減退傾向にあり「今後建機の生産が減少に転じるのではないか」(十川ゴム)と懸念している。

 樹脂ホースは、自動食器洗浄機用ホースなどの家電関係や水洗関係が好調だったが、天候不順の影響により農業用スプレーホースの販売が低調で、前年同期比微減となった。

 今期は厳しくなるとの見通しだが、新規開発製品や高付加価値製品の提案により販売拡大をはかっていく。

 そのひとつが、ディーゼル燃料専用ホースの「BFホース」。これは、菜種・大豆・パームヤシなどを用いたバイオディーゼルに対応した長寿命ディーゼルエンジン専用ホースで、建機メーカーを中心に多く採用されている。

 BFホースはバイオディーゼルの添加量や種別、流体温度条件、水分添加による燃料の酸化劣化による影響などを考慮した素材を使用。また使用環境温度条件により外層素材や構造を変更した3タイプのホースを揃えており、金具アセンブリにも対応可能。金属継手締結での金属イオン抽出の解消にも対応している。

 「バイオディーゼルは、インドネシアなどの東南アジアや欧州など海外では拡大基調にあり、今後BFホースの拡販に期待している」(同)

 同社では、自社ホームページに「材料設計テクノロジー」「構造設計テクノロジー」「ものづくりテクノロジー」の視線から各種情報をアップしている。これにより、顧客ニーズに基づいた特殊品の設計開発を推進している。

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