【特集】ゴムシート
十川ゴム、上期は2%増収に
工業用品 2016-11-16
十川ゴムの16年度上期(4-9月)のゴムシート事業は、前年同期比2%増収となった。土木建築用、船舶車両用が前年同期比大幅な減収となるなど、汎用シート全般の動きは停滞気味で推移したものの、自動車用や住宅設備用、食品産業用が大きく伸長し、全体としては増収を確保した。
同社では6月1日から天然ゴムシートの価格改定を実施しており、汎用天然ゴムシートの厚物の価格を15-20%アップした。土木建築、船舶車両関係の上期の落ち込みについては、「従来、両分野で販売比率の高かった厚物が減少したことが要因」(同社)とみており、「予測範囲内の推移に留まった」(同)としている。
同社では汎用シートについては、今後も販売量、販売総額、利益に関して限界があるとして、製品の差別化に注力している。カタログに掲載している全製品については、既に改正RoHS指令(RoHS2)・REACH規制対応製品として製造しているほか、製品の特性値を利用した放射線遮蔽シートや放熱シートも積極的に展開している。
特に放熱シートは、フィラーなどの配合技術により熱伝導率を飛躍的に高めたゴムシートで、電子機器などの小型化、省スペース化を可能にする素材として注目を集めている。
一般的にゴムの熱伝導率は0.2-0.3W/m・Kと非常に低く、断熱材としては優秀ながら、熱を留めてしまう難点があった。放熱ゴムではこの熱伝導率を約2倍となる0.5W/m・K以上まで向上。それにより、電子基板コンデンサに使用する際には、従来必須だった冷却用ファンが不要になり、省電力化と機器のコンパクト化が可能になる。
同社では現在注目されているこれら製品の拡販に注力するとともに、低発煙難燃性ゴムシート、熱膨張ゴムシート、低硬度シリコーンシートなどの製品の開発にも積極的に取り組み、機能重視の製品ラインアップを拡大させていく方針だ。
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