【特集】ゴム・樹脂コンベヤベルト
鉱山向け好調、輸出が19%増に
会員限定 工業用品 2018-10-24
コンベヤベルトの生産が堅調だ。先ごろ発表された日本ベルト工業会の統計によると1-8月累計のコンベヤベルト生産量は9,871トンで前年同期比2%増。内需は6,345トンで同5%減、輸出は3,527トンで同19%増加した。
輸出は、最大輸出先であるオーストラリア向けは減少したが、チリやアメリカ、フィリピン向けが大幅に増加した。鉄鉱石や石炭、銅鉱山など資源開発関連の需要が回復傾向にある。
内需は、最大の需要先である鉄鋼メーカー向けが大幅に増加。道路、トンネルなどインフラ関連土木工事や発電所などエネルギー関連が引き続き好調に推移している。
コンベヤベルトの今後の需要動向についてメーカー各社は、内需に関しては、東京オリンピックやリニア新幹線に関わる需要に期待している。また今年は台風や豪雨、地震など自然災害が多発したため、下期以降に災害復興向け需要も増えると予想される。輸出については、資源開発国の需要動向に左右される。
樹脂ベルトはPU製が増加
樹脂コンベヤベルトの1-8月累計生産量は77万5,300㎡で前年同期比2%減。品種別ではPVCが12万3,647㎡で同17%減、ポリウレタンが54万3,595㎡で同4%増、その他が10万8,058㎡で同11%減少した。
樹脂ベルトは、主要需要先である食品分野、物流分野がともに好調。物流分野はネット販売が急速に普及したことで、配送拠点の拡充が進み需要が大幅に増加している。業界関係者によると、配送センターの新設案件は2020年まで続く見通しで、まだ数年、好調さが持続する見通しだ。その後はメンテナンス需要が予想され、物流分野は今後も堅調に推移すると思われる。
食品分野は、食品工場での衛生管理がさらに厳しくなっており、洗浄性や抗菌・防カビ、異物混入防止などの機能性向上が強く求められている。また、食品衛生法の改正により、食品衛生管理の国際標準的な手法であるHACCPが食品関連企業に対して義務化される見通しだ。これにより新たな需要が創出される可能性もあり、衛生管理機能をさらに高めた製品の開発に各社が取り組み始めている。
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