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日本ゼオンの単層CNT活用、1月から量産へ

エア・ウォーター、高耐熱性有するFKM製Oリング開発

工業用品 2018-09-05

 エア・ウォーターは9月4日、高耐熱性能を有する汎用フッ素ゴム(FKM)製のOリングを開発したと発表した。子会社でOリング等のシール材を製造・販売するエア・ウォーター・マッハが、FKMと日本ゼオン製のスーパーグロース法による単層カーボンナノチューブ「ZEONANO SG101」を複合化することで開発に成功した。10月からサンプル供給を開始し、2019年1月から量産を開始する予定。

 耐熱性能が求められるOリングの材料としてフッ素ゴムが使用された場合、一般的には150-200度までの温度域ではFKMが、200度を超える高温域では特殊なフッ素ゴムであるパーフルオロエラストマー(FFKM)が使用される。ただ、FFKMは高い耐熱性や耐薬品性を有しているものの、FKMに比べ非常に高価なため、市場からはFKMの耐熱性能を向上させることで、経済性と高耐熱性を両立したOリングの開発、製品化が強く望まれていた。

 今回開発したOリングは、250度の使用環境下でもOリングとしての基本特性である圧縮性能や力学的強度等を保持し、安定したシール性能を発揮する。また、金属製ハウジング部品との粘着・固着の発生を大幅に抑制するとともに、高い導電性能を有することで静電気による異物付着も防止する。開発にあたっては配合に加え、単層カーボンナノチューブを均一に分散させる混練技術等を活かした。

 まずは半導体関連分野を中心に展開し、初年度にあたる20年3月期の売上高3億円を見込んでいる。

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