【企業探訪】
JRC、国内トップのコンベヤ部品メーカー
工業用品 2018-04-02
JRCは国内シェアトップのベルトコンベヤ部品メーカー。コンベヤベルトを下支えするローラや、駆動装置であるプーリが主力製品で、全社売上高の9割近くを占める。ローラは国内トップでシェア50%を占めるという。そのほか、コンベヤカバーやベルトクリーナー、安全柵、非常停止スイッチなどを製造・販売する。
2年前から販売するベルトクリーナーは注力製品のひとつ。「米アスゴ社の製品で耐久性、メンテナンス性に優れる画期的な製品」(浜口稔社長)という。
同社は1961年に大阪で創業し、コンベヤ製品の製造販売を開始した。その後、順調に事業拡大し、現在は国内に4工場(兵庫県南あわじ市、鹿児島県、北海道・旭川市、埼玉県)と9営業所を展開し、生産・供給体制を確立している。2001年には中国・瀋陽に合弁会社を設立、海外展開にも積極的だ。
同社が企業拡大したきっかけのひとつが工場の自動化だ。1989年、淡路工場に日本初のローラ自動組立ラインを導入したことで、ローラ製品の標準化・均一化と増産体制が整った。
「当時はまだバブル経済の只中で、好景気を追い風に、コンベヤ用ローラの需要も右肩上がりだった。他社に先駆けて自動化したことで、旺盛な需要に対応することができ、事業拡大につながった」と浜口社長は振り返る。
同社が現在、力を入れているのがローラに次ぐ主力製品であるプーリの市場シェア拡大。プーリの生産拠点である北関東工場(埼玉県)と九州工場(鹿児島県)の技術・設備を拡充するとともに、プーリのゴムライニング技術と設備を持つ大成を完全子会社化した。
「プーリのゴムライニングについては、自社工場に設備・技術がなく、すべて外部業者に委託していたが、大成を子会社化したことで、プーリ生産からゴムライニングまで自社で一貫生産できる国内唯一のメーカーになった」(同)
同社の顧客は、製鉄所、発電所、セメント工場、砕石、生コン、製紙、製糖、下水処理、リサイクル関連など幅広い。最近はリニア新幹線や都市部の再開発などでトンネル工事向けの需要が増えているという。
今後は「顧客の安全性、生産性、コスト削減に貢献するソリューション事業や新事業であるFA関連に力を入れ、新規需要の開拓を進めていきたい」(同)としている。
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