【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地主導の値下がり局面
連載 2024-05-06
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=300円の節目水準まで軟化し、3月6日以来の安値を更新する展開になった。特に目立った売買材料は見当たらなかったが、上海ゴム相場と産地相場がともに大きく値を崩したことを受けて、JPXゴム相場も急落した。中東の地政学リスク緩和、為替が円安に振れるなど外部環境にはポジティブ材料も目立ったが、戻り売り優勢の地合が維持された。

上海ゴム先物相場は1トン=1万4,000元水準まで軟化する展開になった。1万4,000元台中盤で下げ一服感もみられたが、改めて下値模索の展開になっている。3月8日以来の安値を更新している。
4月入り後は中東情勢を巡る緊張感が著しく高まっていたが、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。4月13~14日にイランがイスラエルに対して報復攻撃を行い、19日にはイスラエルが反撃している。ただし、その後は両国ともに自制をみせており、全面的な軍事衝突に発展するリスクは軽減されている。投資家のリスク選好性が回復していることはポジティブな一方、原油相場が軟化していることはネガティブだが、ゴム相場に対する影響は限定的だった。
消費地相場の急ピッチな値下がりは、産地相場が改めて急落している影響だ。タイ中央ゴム市場(ソンクラ)のRSS現物相場は、4月25日時点で前週比4.9%安の1キロ=76.09バーツとなっている。3月中旬には供給不安で90バーツ台に乗せていたが、その後はほぼ一貫して下落している。
タイは減産期のピークであり、集荷量は抑制されている。また、タイ北部では引き続きサマーストームが報告されており、高温や強風、雷雨など農作業に適さない気象環境になっている。しかし、産地市場では供給不安の織り込みよりも、ピークアウト後の価格水準切り下げが重視されており、下値模索の展開が維持された。ネガティブ材料が浮上して急落しているというよりも、3月にかけての急伸相場に対する反動安局面が続いているとの評価になろう。
4月23日にJPX天然ゴム4月限が受渡日を迎えたが、受渡価格は329.90円となり、3月限の330.00円からほぼ横ばいだった。受渡高は3月限の115枚から380枚まで急増している。緩やかな逆サヤ(期近高・期先安)環境が維持されている。
為替市場では円安圧力が加速しており、1ドル=155円台まで円安・ドル高が進行している。円建てゴム相場に対してはポジティブな動きだが、影響は限定された。円相場よりも産地相場の値動きの方が激しく、為替要因で買いを入れる動きは限定的だった。日本当局の円買い介入の有無が注目されている。
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