世界最高速度の時間分解能で計測、高精度なタイヤゴム劣化評価の実現へ
【会見】住友ゴム工業らの研究グループ、世界初 ゴム中のカーボン微粒子と高分子の動きの同時観察に成功
タイヤ 2023-09-11
住友ゴム工業研究開発本部分析センターの岸本浩通センター長、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻の佐々木裕次教授(産業技術総合研究所先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ特定フェロー兼務)、茨城大学大学院理工学研究科物質科学工学領域の倉持昌弘助教らの研究グループは、タイヤゴムをサンプルとし、標識することなく、タイヤゴムに使用されるフィラーの一つであるカーボン微粒子と高分子の動く様子を、世界最高速度890ナノ秒(10億分の1秒)の時間分解能で計測することに成功した。

(左から)住友ゴム工業岸本氏、茨城大学倉持氏、東京大学佐々木氏
計測には、ドイツのハンブルクにある欧州X線自由電子レーザー(European XFEL)を用いた。タイヤゴムのような複合材料系では、異種成分間の界面付近における微粒子や高分子の動きを把握することが、タイヤの性能を評価する上で重要となる。
今回、同研究グループが、世界で初めてナノ秒レベルで原子サイズの高精度の分子運動計測に成功したことにより、タイヤゴムの性能評価をするため、微粒子と高分子の動きの観察が可能となった。 同計測法の活用によりゴム劣化の早期診断や耐久性を向上させる材料開発などで時間短縮が期待できる。
タイヤのグリップ性能や耐摩耗性能は、分子レベルの構造的特徴や複合材料における微粒子の分散性、母材である高分子(ポリブタジエン)との成分間の相互作用に依存する。そのため、ナノ秒レベルの時間分解能での分子の動きの把握が、構造と機能の関係を理解するための鍵を握っている。従来の技術ではX線情報が平均化されてしまい、微粒子と高分子それぞれの運動特性を抽出した成分間での動きを厳密に比較することができなかった。
2018年、佐々木教授らは単色X線を利用した回折X線ブリンキング法(Diffracted X-ray Blinking:DXB)を世界で初めて提案し、生体分子をモデルとして1分子の内部運動を高精度に捉えることに成功した。DXB法は、生体分子だけでなく、無機・有機の材料が複合的に絡み合い、複雑な動きを示すタイヤゴム系の分子に対しても、原理的に有効となる。
8月30日、東京大学(東京都文京区)で開かれた記者会見で、岸本センター長は「タイヤ用ゴムは一見黒い塊に見えるが、中の分子は非常に激しく運動している。ゴムの塊としてマクロにみると、劣化していたり、性質が変化しているということを捉えることはできたが、どこがどのように変化しているかを捉えることは難しかった。例えばタイヤ用ゴムのトレッド部分には、合成ゴムや天然ゴムといった様々な高分子ポリマーが混ぜられた状態にあり、どのポリマーがどのくらい劣化しているのか、あるいはその界面がどうなっているのかを見極めることは難しかった。そこが分かってくると、例えば合成ゴムのある構造を変えることによって、長持ちするタイヤ、摩耗に強いタイヤを実現する技術が作れるのではないかと思っている。材料を作るには良い物差しが必要になる。その物差しが新たに一つ加わったことになる。サステナビリティ等に大きく貢献し得る技術を作っていくうえで、基本的な計測方法になり得るのではないかと思っている」と語った。
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