夏のゴム製品製造現場
距離確保でマスク着用不要、食堂や更衣室では入念な対策実施
新型コロナ 2020-07-13
ゴム製品の製造現場にとって、今年の夏は従業員へのケアがより重要になりそうだ。
新型コロナウイルスの感染拡大は、マスクの着用を日常的にした。一方で、夏場のマスク着用は熱中症リスクも指摘されている。
加硫工程を持つゴム製品の製造現場はただでさえ暑い。従来から様々な熱中症対策を施してきたゴム製品メーカーだが、ウィズコロナが叫ばれる中、今年はどのような対策を講じているのか。
「製造ラインで他の人と十分な間隔を確保できている場合、基本的にマスクの着用は必要ないと伝えている」と、あるタイヤメーカーは話す。また、ある工業用品メーカーも「2メートル以上離れていれば、マスクを着用する義務はないとしている。これからの夏、製造現場でのマスク着用は熱中症リスクが高く、かえって危険だ」という。
ゴム製品の製造現場で、人が密集していることは稀だ。従来からソーシャルディスタンスが十分に確保できており、その中でマスクを着用することはむしろ熱中症リスクを高めてしまう。
マスクを着用しないという選択の中、製造工程ではスポットクーラーなど、これまで施してきた熱中症対策で対応していくようだ。熱中症対策の中には、経口補水液や塩飴などの配布だけでなく、「予兆が見えた時に緊急避難できるよう、十分に冷やした避難部屋を設けている」というメーカーもあった。また、マスクの代替として、フェイスシールドやついたてによる感染症対策も進められている。
一方で、工場でも人が密集する食堂、更衣室では、しっかりとしたコロナ対策を講じている。あるタイヤメーカーは「向かい合わせの食事にならないよう、みな同じ方向を向き食事している。食事中の会話も控えている」という。別のタイヤメーカーは「食事の人同士の間隔を十分に確保したことに伴い、食堂の収容人数が減少した。そのため、食堂の利用時間を拡大し、なるべく人が密にならないよう心掛けている」と話す。そのほか「これまでは麺類のトッピングとして、ねぎや揚げ物を注文者がセルフで入れていたが、セルフを止めトッピングも全て注文で入れるように変更した」と、入念な対策をとっている企業もあった。
更衣室も食堂と同様だ。同時に使うことのできる人数を制限していると話す企業が多い。また、更衣室を使用しなくても良いように、制服での出社を認めたと話す企業もあった。
感染者は、都市部を中心に増加傾向に転じているが、夏を迎えゴム製品メーカーの取り組みは十分に進んでいるようだ。
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