ゴム・樹脂コンベヤベルトの現況
内需は鉄鋼が不振、輸出は資源国が減
工業用品 2016-10-13
コンベヤベルトの生産が低迷している。先ごろ発表された日本ベルト工業会の統計によると1―8月累計生産量は前年同期比16%減。内需、輸出とも大幅に減少している。昨年9月から12カ月連続で前年同月割れが続いている。海外資源国向けや国内鉄鋼産業向け需要の低迷で生産・出荷量が伸びない上、価格競争の激化も加わり、メーカー各社の収益が悪化している。
ゴムコンベヤベルトの1―8月累計生産量は9653トンで前年同期比16%減。内需は6238トンで同14%減、輸出は3416トンで同18%減少した。
輸出は最大の資源消費国である中国の景気減速により、海外資源国向け需要が大幅に減少した。
内需は主要需要先である鉄鋼メーカー向けが低調。国内自動車生産の低迷で粗鋼生産が減少したことに加え、中国鉄鋼メーカーの生産過多により市況が乱れ、国内鉄鋼メーカーの業績が悪化したことで、コンベヤベルトの交換が減少し、販売価格も低迷している。
ゴムコンベヤベルトの1―8月累計出荷金額は約130億円で前年同期に比べ20%近く減少している。内需は関東、中部、近畿の3大消費地で出荷が減少し同5%減。輸出は同40%弱減少した。
今後の需要動向についてメーカー各社は、内需に関しては、東京オリンピックやリニア新幹線に関わる需要に期待しているが、本格的に需要が高まるのはまだ先になるだろうと予想している。
輸出については、資源開発国の需要動向次第だが、現状を見ると、石炭や鉄鉱石の動きはまだ鈍い。資源の大消費国である中国の景気が上向かない限り、コンベヤベルトの需要が増加する見込みはない。
樹脂は好調、7%増
樹脂コンベヤベルトの1―8月累計生産量は70万2368㎡で前年同期比7%増。品種別ではPVCが12万2008㎡で同横ばい、ポリウレタンが48万8891㎡で同10%増、その他が9万1469㎡で同2%増加した。出荷金額は83億円で同5%増。国内全地域で増加。輸出も2ケタ増加している。
樹脂ベルトは、主要需要先である食品分野、物流分野がともに堅調。物流分野はネット販売が急速に普及したことで、配送拠点の拡充が進み需要が増加している。
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